今、私たちの足元で静かに、しかし確実に日本の国土が「行方不明」になっています。誰が持ち主なのか特定できない「所有者不明土地」が全国各地で急増しており、その広さは2016年時点ですでに九州本島の面積を上回るという驚きの調査結果が出されました。このまま対策を講じなければ、2040年には国土の約2割、つまり北海道の本島に匹敵するほどの広大な土地が、誰の物かもわからぬまま放置されてしまうと予測されています。
なぜ、これほどまでに持ち主のわからない場所が増えてしまったのでしょうか。最大の要因は、所有者が亡くなった際に行われる「相続」の手続きにあります。これまで日本では、不動産を譲り受けた際の「登記(とうき)」は個人の自由に任されており、義務ではありませんでした。登記とは、土地や建物の権利関係を公的な帳簿に記録し、国に証明してもらう仕組みのことですが、多忙や費用の負担を理由にこの更新を怠るケースが後を絶たないのです。
都市開発を阻む巨大な壁!SNSでも不安の声が広がる土地問題の深刻さ
所有者が不明のまま放置されると、地域社会には多大な悪影響が及びます。例えば、老朽化した建物を壊したくても、あるいは新しい道路を作ろうとしても、地主の同意が得られないため工事を進めることができません。こうした「塩漬け」状態の土地が増えることで、街全体の景観が損なわれ、治安の悪化を招くリスクも懸念されています。SNS上では「自分の実家も将来そうなるかも」「空き家が増える一方で恐ろしい」といった不安の声が日々投稿されています。
こうした危機的な状況を重く見た政府は、これまで任意だった登記を義務付ける方向で調整を始めています。この制度が実現すれば、2019年08月02日現在の深刻な土地不足や開発の停滞に一石を投じることが期待されるでしょう。登記の義務化は、未来の世代へ健全な国土を引き継ぐための大きな一歩となります。しかし、単にルールを作るだけでなく、手続きを簡略化し、国民が納得して協力できる環境を整えることが、解決への何よりの近道です。
私は、この問題は決して他人事ではないと考えています。土地は国の基盤であり、私たちの生活を支える共有の財産とも言える存在です。利便性の高い都市部でさえ開発が止まる現状を見るにつけ、一人ひとりが「自分が持つ土地の責任」を再認識すべき時期に来ているのではないでしょうか。登記を放置することは、未来の街づくりを阻害することと同義です。政府の次なる一手と、私たち市民の意識改革が今こそ求められている、切実なテーマであると感じてやみません。