2019年08月01日、アメリカの政治経済に大きな動きがありました。米連邦議会上院において、連邦政府の借入限度額を定める「債務上限」の引き上げと、今後2年間にわたる歳出枠の拡大を柱とした予算関連法案が可決されたのです。この決定により、世界経済を揺るがしかねなかった米国債のデフォルト(債務不履行)という最悪の事態は、ひとまず回避される見通しとなりました。
ここで注目すべきキーワードである「債務上限」とは、政府が法律で認められた借金の最大値のことです。また「デフォルト」は、国が借りたお金を返せなくなる状態を指し、これが起きると金利の急騰や株価暴落を招く恐れがあります。今回の法案成立は、いわば破産寸前の状態から一時的に猶予を得た形と言えるでしょう。市場関係者からは安堵の声が漏れる一方で、将来への不安も色濃く漂っています。
積み増された3200億ドルの重みと将来への警鐘
今回の合意によって、今後2年間の歳出枠は合計で3200億ドルも積み増されることになりました。SNS上では「ひとまず安心した」という投稿が見られる一方で、「ツケを将来に回しているだけではないか」といった鋭い指摘も相次いでいます。目先の混乱を防ぐための処置とはいえ、これほど巨額の予算が追加されることは、アメリカの財政をさらに圧迫する要因になることは間違いありません。
私自身の見解としては、政治的な歩み寄りが見られた点は評価すべきですが、手放しでは喜べない状況だと感じています。中長期的な視点で見れば、財政赤字の大幅な拡大は避けられず、いずれはこの膨れ上がった債務が経済の足かせとなる時期が訪れるでしょう。目先の平穏を維持しながら、いかにして持続可能な財政再建を進めていくのかという、非常に難易度の高い課題が改めて浮き彫りになったと言えます。