2019年08月01日のアメリカ株式市場は、まさにジェットコースターのような激しい値動きに見舞われました。当初は安定した推移を見せていたものの、トランプ米大統領が中国に対する追加関税の第4弾を発動すると表明した途端、市場の空気は一変します。突如として突きつけられた厳しい貿易方針に、投資家たちの動揺が株価の急落という形で鮮明に現れたのです。
SNS上では「トランプ大統領のツイート一つで市場が壊れる」「FRBの努力が台無しだ」といった悲鳴に近い声が次々と投稿されており、政策の不透明感に対する不満が渦巻いています。中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が金利政策を慎重に検討している最中での出来事だけに、この予想外の揺さぶりは、実体経済だけでなく心理的にも大きな打撃を与えたと言えるでしょう。
市場関係者の間では、FRBが本来担っている「デュアル・マンデート」の限界を指摘する声が上がり始めています。これは「物価の安定」と「雇用の最大化」という2つの公的な責任を指す言葉ですが、現在の異常事態を受けて、もはやそれだけでは不十分だという見方が強まりました。今や、予測不能な通商政策のフォローまでもが求められているという皮肉な状況です。
具体的には、本来の2つの使命に加え「安定的な貿易政策の維持」こそが、実質的な「3つ目の使命」になったとささやかれています。本来、貿易問題は政府が管轄すべき領域ですが、その混乱を収束させる役割を市場が中央銀行に期待せざるを得ないのは、いささか歪な構造と言わざるを得ません。政策の予見可能性が失われた時、経済の舵取りは極めて困難になります。
混迷を極める経済情勢とFRBが直面する新たな壁
私自身の見解としては、政治的な駆け引きが中央銀行の独立性を脅かし、市場の規律を乱している現状には強い危機感を抱きます。貿易戦争という外部要因が、本来の経済指標に基づいた判断を歪めてしまうのは、長期的に見て世界経済にとってプラスには働かないはずです。FRBは今後、トランプ政権の動向という不確定要素を常に計算に入れ続けなければなりません。
投資家は今、数字上の景気判断だけでなく、政治のトップが発する一言一句に神経を研ぎ澄ませることを強いられています。2019年08月02日現在のこの緊迫感は、単なる一時的な調整ではなく、世界経済の構造変化を予感させるものです。自由貿易の前提が揺らぐ中で、FRBがどのようにして市場の平穏を取り戻すのか、その手腕が厳しく問われる局面が続くでしょう。