2019年08月02日の外国為替市場では、円が対ユーロで値を上げる展開となりました。この動きの背景には、世界経済を揺るがしている米中貿易摩擦の再燃があります。トランプ米政権が中国に対して追加関税の第4弾を発動する意向を示したことで、投資家の間には先行きの不透明感が一気に広がりました。
こうした状況下で注目を集めるのが、いわゆる「低リスク通貨」としての円です。リスク回避の動きが強まると、投資家は資産を守るために比較的安全とされる通貨を買い戻す傾向にあります。今回も景気後退への懸念が引き金となり、円を買い、ユーロを売るという選択が市場の主流となったのでしょう。
さらに同日の東京株式市場において、日経平均株価が大幅に下落したことも、円高の流れを後押ししました。株安は投資マインドを冷え込ませ、さらなる安全資産への逃避を促します。このように複数の要因が重なったことで、円相場はユーロに対して一段と強含みの推移を見せることになりました。
SNS上では、「また米中対立か」「お盆休みを前に円高が進むのは困る」といった困惑の声が目立っています。輸出企業への影響を心配する書き込みも散見され、実体経済への波及を危惧するムードが強まっているようです。一方で、海外旅行を計画している層からは、円高を歓迎する率直な意見も上がっていました。
ここで言う「低リスク通貨」とは、政情が安定し、経常黒字を保持している国が発行する通貨を指します。日本円は伝統的にこの役割を担っていますが、これは日本が対外純資産を多く持つ「世界最大の債権国」であるという信頼の裏返しです。世界で有事が起きるたびに円が買われる現象は、国際社会における日本経済の立ち位置を象徴しています。
編集者の視点から言えば、今回の円高は決して手放しで喜べる状況ではないと考えられます。貿易摩擦という外的要因によって無理やり押し上げられた円高は、国内の景気回復に冷や水を浴びせるリスクを孕んでいます。経済の先行きを占う上で、米中の動向が今後も市場の主導権を握り続けることは避けられないでしょう。