リクナビ「内定辞退率」予測データ販売の衝撃!就活生の信頼を裏切る個人情報提供の実態と今後の課題

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就職活動における必須ツールとして、年間およそ80万人もの学生が利用する国内最大級のサイト「リクナビ」において、揺るぎない信頼を揺るがす重大な事態が発覚しました。運営元であるリクルートキャリアが、学生一人ひとりの「内定辞退率」を人工知能(AI)で算出し、本人へ十分な説明を行わないまま38社もの企業へ有償で提供していたことが2019年08月02日までに明らかとなったのです。

このサービスは、学生がサイト上でどのような企業情報を閲覧したかという行動履歴をAIが解析し、その学生が選考や内定を辞退する確率を予測するというものです。いわゆる「スコアリング」と呼ばれる手法ですが、これが採用合否の判定前に企業側へ渡されていたという事実は、就活生の将来を左右しかねない極めてデリケートな問題を含んでいます。SNS上では「自分の知らないところで勝手に評価されていたのか」といった、学生たちの悲痛な叫びや不信感が渦巻いています。

個人情報保護法違反の疑いとデータエコノミーの倫理観

日本の法律では、氏名などの個人情報を第三者に提供する際、原則として本人の同意を得ることが義務付けられています。今回のリクナビのケースでは、この手続きが不十分であったとして、国の機関である個人情報保護委員会が事実関係の調査に乗り出しました。事態を重く見たリクナビ側は、2019年07月末をもって該当するデータの販売を急遽休止する事態に追い込まれています。本来、学生を支援する立場にあるはずのプラットフォームが、営利のために情報を不適切に扱った代償は小さくありません。

現在、膨大なデータを活用して新たなビジネスを生み出す「データエコノミー」が世界的に加速しています。しかし、利便性や効率性を追い求めるあまり、個人のプライバシーが二の次になっては本末転倒です。政府も2020年の個人情報保護法改正を目指して動いていますが、企業には法規制を待つまでもなく、高い倫理観を持ってデータを扱う姿勢が求められるでしょう。利便性とプライバシー保護の絶妙なバランスをどう構築するかが、現代社会の大きな宿題といえます。

編集者の視点から申し上げれば、今回の件は単なる一企業の不祥事にとどまらず、日本の採用文化そのものに対する不信感を植え付けてしまったと感じます。AIは強力な武器になりますが、それを使う人間の「誠実さ」が欠けていれば、最悪の凶器にもなり得ます。就活生が安心して夢を追いかけられる環境を守るためにも、透明性の高い情報開示と、納得感のあるルール作りが急務ではないでしょうか。私たちは便利さと引き換えに何を差し出しているのか、今一度立ち止まって考えるべき時が来ています。

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