2019年08月01日、参議院選挙を経て初となる第199臨時国会が華やかに幕を開けました。議場には初登院を果たした議員たちの緊張感が漂っていますが、注目すべきは勢力図の劇的な変化でしょう。自民党と公明党の与党勢力が安定した過半数を確保する一方で、野党側は多くの小規模なグループに分かれる「少数会派乱立」という極めて複雑な状況に直面しています。
現在の野党第一会派は35議席を擁する立憲民主党が務め、それに続くのが26議席の国民民主党という構図です。しかし、今回の国会で特に目を引くのは、わずか2名で構成されるミニ政党の存在ではないでしょうか。具体的には「沖縄の風」や「碧水会」、さらにはSNSで爆発的な話題をさらった「れいわ新選組」、そして復活を遂げた「みんなの党」といった4つの会派が、それぞれ独自の旗を掲げています。
ここで言う「会派」とは、国会内で活動を共にする議員グループの単位を指します。政党と同じ場合もあれば、複数の政党がまとまって一つの会派を作ることもあります。会派の人数は国会運営において極めて重要で、例えば参議院で独自の「議員立法(議員が法律案を作成し提出すること)」を行うためには、最低でも10人の仲間が必要となります。つまり、2人だけの少数会派は単独で法案を通すことが困難な状況にあるのです。
SNS上では、この状況に対して「多様な意見が反映されるのは良いことだ」という期待の声がある一方で、「これだけバラバラでは与党に対抗できないのではないか」といった不安の声も渦巻いています。特に、独自のスタイルで旋風を巻き起こした、れいわ新選組がどのように既存の政治勢力と距離を保つのか、あるいは手を組むのかという点には、ネットユーザーからも熱い視線が注がれているのが現状です。
今後、秋に予定されている本格的な論戦の場に向けて、水面下では激しい引き抜き工作や合流交渉が進むと予想されます。立憲民主党や国民民主党は、特定の政党に属さない無所属議員に熱烈なアプローチを続けており、国民民主党内では日本維新の会との連携案まで浮上しました。これら異なる勢力が共通の目的のために結びつく「合従連衡(がっしょうれんこう)」の動きは、今後の政局を占う最大の焦点となるでしょう。
個人的な見解を述べれば、現在の野党に求められているのは、単なる「数合わせ」ではない明確なビジョンではないでしょうか。有権者は数だけを増やした巨大野党よりも、たとえ少数であっても自分たちの生活に直結する政策を力強く発信してくれる存在を求めているように感じます。少数会派がどのように協力し合い、巨大な与党に対抗し得る「対案」を打ち出していけるのか、その手腕が厳しく問われることになりそうです。
一方、憲法改正を悲願とする自民党にとっては、この野党のバラバラな状況は絶好の機会に見えているかもしれません。憲法改正案を国会で提案するためには、参議院全体で3分の2にあたる164議席の賛成が必要不可欠です。与党側は、揺れ動く野党各派の動向を冷静に見極めながら、憲法審査会での議論をじわじわと進めていく構えを見せています。2019年08月01日から始まったこの夏、永田町のパワーバランスは刻一刻と形を変えていくに違いありません。