MMT(現代貨幣理論)に一石を投じる「格付けの論理」とは?経済の番人・中空麻奈氏が解き明かす財政の信頼性とクレジットネガティブの正体

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2019年08月02日、経済界を揺るがしている「現代貨幣理論(MMT)」に対し、冷静かつ鋭い視点から反論を試みる動きが注目されています。BNPパリバ証券の中空麻奈氏は、格付けという市場の「定規」を用いることで、この理論の危うさを可視化できると提言しています。MMTは「自国通貨を発行できる国は財政破綻しない」という刺激的な主張を掲げていますが、現実の市場はそれほど単純な論理では動かないというわけです。

そもそもMMTとは、インフレが起きない限りは、政府がどれだけ借金をしても問題ないとする考え方です。これに対しSNSなどでは「打ち出の小槌(こづち)のようだ」と歓迎する声がある一方で、専門家の間ではハイパーインフレを招くリスクを危惧する意見が相次いでいます。中空氏は、こうした理論が暴走しないための「防波堤」として、債務の支払い能力を客観的に評価する「格付け」の役割が極めて重要になると分析しているのでしょう。

格付けが鳴らす警鐘とクレジットネガティブの影響力

格付けとは、特定の国や企業が将来にわたって借金を返せるかどうかを示す「意見」のようなものです。もし国がMMTを過信して無制限に債務を膨らませてしまえば、それは格下げの要因となる「クレジットネガティブ(信用力にとってマイナスな状態)」と判断されます。客観的な評価が下がることで、国が資金を借りる際の金利、すなわち調達コストが跳ね上がるため、結果として放漫な財政運営にブレーキをかける仕組みが働きます。

こうした市場の規律が正しく機能するかどうかが、一国の財政の信頼性を左右する決定打となるはずです。私は、MMTという甘美な響きを持つ理論に頼りすぎることは、将来の世代に計り知れない負担を押し付ける「見えない増税」になりかねないと危惧しています。格付け会社という第三者の厳しい目が存在するからこそ、私たちは通貨の価値を信じ、経済活動を円滑に進めることができているのではないでしょうか。

デジタル化が加速する現代において、情報が瞬時に拡散するSNSの影響も無視できません。格下げのニュースが一つ流れれば、市場の不安は一気に加速し、理論上の安全圏を容易に突破してしまうリスクを秘めています。2019年08月02日時点のこの議論は、単なるアカデミックな論争ではなく、私たちの生活に直結する通貨の信認をめぐる戦いであると言っても過言ではないでしょう。

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