【2019年最新】アジア新興国で「利下げラッシュ」が加速?FRB決定を受けた景気刺激策の行方と投資家への影響

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米国の中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)が、2019年7月31日に約10年半ぶりとなる利下げを断行しました。この決定を受け、アジアの新興国市場では今後、各国の中央銀行が相次いで金利を引き下げる「追随利下げ」の動きが活発化する見通しです。世界経済の先行きに不透明感が漂う中、各国は金融緩和によって自国の景気を下支えしようと必死の構えを見せています。

そもそも「利下げ」とは、中央銀行が政策金利を下げることで、企業や個人が銀行からお金を借りやすくする施策を指します。これにより、設備投資や個人消費が活発になる効果が期待できるのです。SNS上では「新興国の金利が下がれば、日本の住宅ローンや運用にも影響が出るかも」「米中の貿易摩擦がこれだけ長引けば、各国が守りに入るのは当然だ」といった、世界的な景気後退を危惧する声が多く上がっています。

フィリピン中央銀行のジョクノ総裁は、2019年7月中旬の時点で、同年8月8日の会合での追加利下げを強く示唆しました。同国はすでに5月にも0.25%の利下げを行っていますが、市場ではさらなる緩和が確実視されています。インド準備銀行も同様で、2019年8月7日の会合で利下げが決まれば、2月以降で4回連続という異例のペースとなります。東南アジア全体が、まさに「緩和モード」に突入したと言えるでしょう。

こうした動きの背景には、国際通貨基金(IMF)が2019年7月23日に発表した世界経済見通しの下方修正があります。特にインドやブラジルといった新興国の成長率予測が大幅に引き下げられており、各国の中銀は景気悪化を食い止めるために利下げへ「追い込まれている」のが実情です。これまでは通貨安や資本流出を防ぐために高金利を維持してきましたが、米国の利下げによってその制約が一時的に緩和された形です。

「通貨安」とは、他国と比較して自国の通貨価値が下がることを指し、輸入コストの増大などを招きます。しかし、専門家によれば、現在の市場環境ではアジア諸国が利下げを行っても、急激な通貨下落を招くリスクは低いと分析されています。実際に、2019年7月の新興国市場への資金流入は安定しており、5月中旬に見られたようなパニック的な資金流出の懸念は、足元では薄れているのが救いと言えるかもしれません。

編集者としての視点から述べれば、この「利下げ合戦」は短期的にはカンフル剤となりますが、副作用への警戒も不可欠です。低金利は借り入れを促す反面、タイやマレーシアのように家計債務が膨らんでいる国では、さらなるバブルを助長する危険性を孕んでいます。景気が本当に冷え切った際に「次の一手」が残されていないという事態は避けるべきであり、各国の中銀には非常に繊細なハンドリングが求められています。

2020年から2021年にかけて予想されるさらなる景気下振れリスクに備え、年内の利下げ回数を慎重に見極めようとする動きも一部では見られます。目先の景気対策と将来の備え、このジレンマの中でアジア経済がどのような舵取りを行うのか、投資家のみならず我々消費者にとっても目が離せない局面が続いています。今後発表される各国の経済指標や、次回の政策決定会合の結果に注目が集まることは間違いありません。

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