長谷川香料の2019年4〜6月期決算を分析!中国経済の減速と原料高騰が営業利益に与えた影響とは

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香りの力で私たちの日常を彩る国内香料大手の長谷川香料が、2019年4月から6月期における連結決算の概況を明らかにしました。今回の発表によりますと、本業の儲けを示す営業利益は15億円強に留まり、前年の同じ時期と比較して1割弱の減益となる見通しです。売上高自体は150億円弱と堅調に推移し、前年比で1割ほどの伸びを見せているものの、利益面では苦戦を強いられる形となりました。

この減益の背景には、世界経済の不透明感、特に中国経済の減速が色濃く影を落としています。現地では景気後退のあおりを受け、洗剤や石鹸といった日用品向けの香料需要が大きく落ち込みました。さらに、現地のメーカー同士による激しいシェア争いに巻き込まれたことで、出荷数量が伸び悩んだことも大きな痛手となったようです。グローバル展開を加速させる企業にとって、巨大市場である中国の動向がいかに重要かを物語る結果といえるでしょう。

国内市場に目を向けても、厳しい状況が続いています。夏場に欠かせない飲料向けの「フレーバー(食品用香料)」は、顧客企業の製品販売が期待ほど振るわず、連動して同社の収益を圧迫しました。ここで言う「フレーバー」とは、飲み物や食品に美味しそうな香りや風味を付ける専門的な素材を指しますが、最終消費者の購買意欲が想定を下回ったことが、サプライヤーである同社にも直接的なダメージを与えたのです。

天候不順とコスト増の二重苦に立ち向かう戦略

追い打ちをかけたのが、自然界の気まぐれによる原料調達の難化です。2019年は天候不順が続いた影響で、香料の核となる柑橘類などの農作物が深刻な不作に見舞われました。これにより原材料の仕入れ価格が高騰し、製造コストを押し上げる要因となっています。自然由来の成分を大切にする企業だからこそ、気候変動がもたらすリスクを回避することの難しさが浮き彫りになった格好ではないでしょうか。

一方で、ポジティブな兆しも見え隠れしています。健康意識が非常に高いアメリカ市場においては、健康食品向けの香料販売が右肩上がりで成長を遂げました。こうした海外での攻めの姿勢は、営業拠点の強化に伴う人件費や「販管費(販売費及び一般管理費)」の増大を招いていますが、これは将来の飛躍に向けた必要な投資とも捉えられます。販管費とは、商品の販売や会社全体の管理にかかるコストのことですが、中長期的な競争力を高めるためには避けられない支出です。

SNS上では今回のニュースに対し、「中国の影響がここまで出るとは驚きだ」「自然のものを使っている以上、不作のリスクは常に付きまとうので頑張ってほしい」といった、同社への関心とエールが混じった声が上がっています。2019年8月2日に予定されている詳細な決算発表では、これらの課題をどう乗り越え、次なる成長戦略を描くのかに投資家たちの熱い視線が注がれることは間違いありません。

個人的な見解を述べさせていただきますと、短期的には外部環境に左右されているものの、米国での成功は同社の技術力の高さを証明しています。景気の波や天候に左右されにくい安定した収益基盤をいかに構築するかが、今後の鍵を握るでしょう。香りは私たちの生活に豊かさをもたらす不可欠な要素ですから、この苦境をバネにした同社の革新的なアプローチに、一編集者としても大きな期待を寄せています。

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