家電量販店最大手のヤマダ電機が、2019年8月1日に発表した2019年4月から6月期の連結決算において、目を見張るような好成績を収めました。純利益は前年の同じ時期と比べて37%も増加し、46億円に達しています。この躍進の背景には、同社がこれまで徹底して取り組んできた経営体質の改善が、目に見える形で数字に表れたという側面が強いでしょう。
今回の好決算を支えた大きな要因の一つは、商品の在庫管理を徹底的に見直した点にあります。これまでは、売れ残った商品をさばくために大幅な値引き販売を余儀なくされる場面も見られましたが、在庫のスリム化に成功したことで過度な安売りを抑えることが可能になりました。その結果、本業の儲けを示す営業利益は前年同期の2.7倍となる60億円という驚異的な伸びを記録しています。
特に注目したいのは、「売上高総利益率」が1.6ポイント改善し、28.8%にまで上昇したことです。この利益率とは、売上から原価を引いた利益がどれだけ残るかを示す指標であり、企業の稼ぐ力を表します。不良在庫、つまり「旬」を過ぎて売れにくくなった商品の保有を減らしたことが、結果としてブランド価値を保ちながら利益を積み増す健全な経営サイクルを生み出したといえるでしょう。
高画質化の波を捉えた4Kテレビと有機ELの販売戦略
消費者の購買意欲を刺激したのは、付加価値の高い最新家電の数々でした。売上高は前年同期比2%増の3764億円を記録しており、なかでもテレビの販売が非常に好調に推移しています。現在、市場を牽引しているのは、従来のフルハイビジョンよりも圧倒的にきめ細やかな映像を楽しめる「4K技術」を搭載したモデルや、自ら発光する素子により深い黒を表現できる「有機EL素材」を採用した上位機種です。
こうした高単価な製品が売れ筋となったことで、全体の収益性が大きく底上げされました。SNS上でも今回の決算ニュースに対し、「最近のヤマダは接客が丁寧になったし、高機能な家電をじっくり選べる雰囲気がいい」「やはり大型の家電は実物を見てから買いたいので、好調なのは納得」といったポジティブな反応が寄せられています。店舗での体験価値が、再び評価されているのかもしれません。
編集者としての視点から述べさせていただきますと、今回のヤマダ電機の復活劇は、単なる景気の影響ではなく「筋肉質な組織への転換」に成功した証だと感じます。多くのネット通販サイトが台頭するなかで、在庫の適正化を図りつつ高付加価値商品を提案する実店舗の強みを再定義した戦略は、まさに家電量販業界の横綱にふさわしい見事な立ち回りと言えるのではないでしょうか。
同社は2020年3月期の通期見通しについて、売上高1兆6740億円、純利益は前期比82%増の267億円とする強気な予想を据え置いています。この勢いが続けば、次回の決算発表ではさらなるサプライズが期待できるかもしれません。私たちの生活に欠かせないインフラともいえる家電量販店が、どのような進化を遂げていくのか、今後もその動向から目が離せそうにありません。