ロームの2019年4〜6月期決算を分析!純利益59%減の背景とSiCパワー半導体が握る未来への鍵

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

電子部品の主要メーカーであるロームが、2019年08月01日に発表した2019年4〜6月期の連結決算は、市場に驚きを与えました。最終的な儲けを示す純利益が、前年の同じ時期と比べて59%も減少した58億円にとどまったのです。この急激な利益の縮小は、世界経済の波に翻弄された結果といえるでしょう。SNS上では「半導体サイクルの厳しさを感じる」「ロームほどの企業でも中国の影響は避けられないのか」といった、将来を不安視する声や驚きのコメントが数多く寄せられています。

大幅な減益を招いた最大の要因は、中国における景気減速の影が色濃く出たことにあります。特に、自動車のダッシュボードに欠かせないカーナビや、工場の生産ラインを支えるFA関連部品の需要が大きく落ち込みました。ここでいうFAとは「ファクトリーオートメーション」の略称で、コンピュータやロボットを活用して工場の製造工程を自動化する技術を指します。製造業の心臓部ともいえるこの分野が停滞したことが、業績に深刻なダメージを与えたのは間違いありません。

次世代素材SiCへの期待と今後の展望

厳しい数字が並ぶ一方で、希望の光も確かに見えています。従来のシリコンよりも電力損失を大幅に抑えられる「SiC(炭化ケイ素)」を用いた次世代パワー半導体は、堅調な伸びを記録しました。これは電気自動車(EV)などの普及を見据えた非常に重要なパーツですが、現時点では産業機器向けの落ち込みを全てカバーするには至っていません。しかし、編集者の視点から言えば、目先の数字に一喜一憂するのではなく、このSiCのような革新技術に投資を継続できるかどうかが、企業の底力を証明するはずです。

2019年08月02日現在の状況を鑑みると、米中貿易摩擦などの不透明な国際情勢が、日本の製造業に重い影を落としていることが伺えます。ロームが主力とする車載・産業機器市場は、短期的には調整局面が続く可能性が高いでしょう。それでも、省エネ性能に優れた新材料の開発で世界をリードする同社の姿勢は、中長期的な競争力を維持するための賢明な戦略であると感じます。苦境の中で種をまき続ける同社が、再び力強い成長軌道を描く日を、投資家やファンは静かに見守っています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*