2019年08月01日、日本のバイオテクノロジー業界を牽引することが期待される、大阪大学発のベンチャー企業「ステムリム」の公開価格が発表されました。当初、市場が予測していた強気な価格帯からは一転し、最終的な公開価格は1000円という数字に落ち着いています。投資家の間では慎重な姿勢も見受けられますが、画期的な新薬開発に挑む同社の姿勢には、依然として熱い視線が注がれているようです。
そもそも公開価格とは、企業が証券取引所に新しく上場する際、一般の投資家へ最初に売り出す株式の価格を指します。ステムリムの場合、当初は2370円から3730円という非常に高い水準での上場が目指されていました。しかし、その後の仮条件が1000円から1700円へと大きく下方修正され、結果としてその最下限である1000円での着地となったことは、現在の厳しい市場環境を物語っているといえるでしょう。
SNS上では今回の決定に対し、「想定外の安値で驚いた」という戸惑いの声がある一方で、「この価格なら手が届きやすく、上場後の伸び代に期待したい」といったポジティブな反応も散見されます。バイオ株特有のボラティリティ、つまり価格変動の激しさを懸念する意見も根強いですが、アカデミア発の技術力に対する信頼感は揺らいでいません。リスクを承知の上で、将来の「大化け」を夢見る個人投資家たちの熱気が伝わってきます。
生体組織を再生させる驚異の技術!再生誘導医薬が切り拓く未来
ステムリムが取り組んでいるのは、「再生誘導医薬」という全く新しい概念の治療法です。これは従来の再生医療のように、体の外で培養した細胞を移植するのではなく、患者さん自身の体内に存在する幹細胞を活性化させ、傷ついた組織を自ら治癒するように働きかける画期的な技術です。専門的な言葉で言えば、体内の「生体反応」を巧みに利用することで、失われた機能を取り戻すプロセスを加速させるというアプローチになります。
私自身の見解としては、今回の公開価格が弱気の設定になったことは、必ずしも企業の価値を否定するものではないと考えています。むしろ、地に足のついたスタートを切ることで、2019年08月09日に控えた東証マザーズ(新興企業向けの市場)への上場後に、健全な株価形成が行われる可能性を高めたのではないでしょうか。バイオベンチャーにとって、上場はゴールではなく、膨大な研究開発費を確保するための新たなスタート地点に他なりません。
2019年08月09日の上場初日にどのような値動きを見せるのか、市場関係者だけでなく医療界からも大きな注目が集まっています。難病に苦しむ人々にとって、同社の研究が実用化されることは大きな希望であり、社会的な意義は計り知れません。投資の側面だけでなく、日本の創薬技術が世界をリードしていく姿を、私たち編集部もしっかりと見守っていきたいと感じています。