🚀地域再生の切り札か? 北海道士別市が仕掛ける**「特定遊休財産」の無償貸与・譲渡**戦略とSNSの熱い反響

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北海道士別市が、老朽化した旧競馬場や廃校となった小学校などの遊休資産を企業へ無償で貸し付け、さらには譲渡するという、異例かつ大胆な試みに乗り出しました。これは、少子高齢化が進む地方自治体が直面する「負の遺産」を、雇用創出と地域活性化のための「宝」へと変えるための、極めて現実的な戦略と言えるでしょう。

こうした老朽化した物件は、取り壊すだけでも一件につき数千万円もの多額の費用が市の財政に重くのしかかります。人口が2005年の旧朝日町との合併時から約2割減少し、現在1万8,700人となっている士別市にとって、施設を有効利用してもらうことは、費用削減のみならず、将来への確かな投資となるのです。

この第1弾の公募では、かつて2005年ごろまで「ばんば」(重いソリを馬に引かせる競技)の大会が開かれていた旧競馬場跡地、旧淡水魚蓄加工施設、そして旧小学校2校の合計4件、面積にして8万1,000平方メートルが対象となりました。市は、これらの施設をIT(情報技術)関連の工場やコールセンター、あるいは農業関連の研究所などとして活用することを期待しています。

この画期的な取り組みは、2019年4月に改正された市企業促進条例に基づいて実行されます。具体的には、市が所有する土地や建物を「特定遊休財産」として指定し、まず企業に3年間、無償で貸し付けるというものです。企業は、その間に校舎や体育館などの既存施設を改修して利用することになります。事業の進捗状況に応じてさらに2年間延長が可能で、その後、進出企業が希望すれば無償譲渡されるという、三段階にわたるきめ細やかな仕組みです。

企業側の事業戦略を尊重し、長期的な定着を促すこの制度は、立地企業が存続するかどうかの意向を反映させることができるため、非常に魅力的でしょう。公募は7月1日まで受け付けられ、市の幹部で構成される審査会によって進出企業が決定される予定です。

また、これら4件の公募とは別に、すでに別の旧小学校については、地元の製造業と無償貸し付けの方向で個別の調整が進んでいるとのこと。さらに、8月には第2弾として、これまで土地の形状が細長く使いづらいという理由で分譲が進んでいなかった「駅南工業団地」の一部、1万1,000平方メートル(全体の6万7,000平方メートルの一部)の公募も予定されており、市が遊休資産の解消に強い意欲を持っていることがうかがえます。

💡無償譲渡は是か非か?専門家と市民の熱い議論

この「無償譲渡」という大胆な手法は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。多くのユーザーからは「これは素晴らしいアイデア!」「解体費用が浮くし、地域に仕事が増えるのは一石二鳥」といった賛同の声が上がっています。特に、少子高齢化で道内各地の市町村が抱える旧小中学校の活用は喫緊の課題であり、「うちの自治体でも真似してほしい」という共感も目立ちます。

しかしその一方で、地域研究工房の小磯修二代表理事は、市民の財産を無償で譲渡することには「事業失敗のリスク」も伴うため、進出企業に「地域への利益還元」を政治が明確に示す必要があると指摘しています。つまり、企業が利益を上げられなかった場合に、市民の貴重な財産が単に無駄になってしまう可能性も考慮すべきだという、もっともな意見でしょう。

小磯氏はさらに、「経済成長が約束されていた時代」に建設された学校などの施設は、高齢者も含め、対象を限定しない幅広い用途で活用するなど、「柔軟な発想」が必要であるとも述べています。私は、まさにこの「柔軟な発想」こそが、地方再生の鍵を握ると考えます。今回の士別市の試みは、その柔軟性を体現しており、地域社会に新たな活力を生み出すモデルケースとして、全国の自治体にとって希望の光となるでしょう。

北海道内では、2016年度から道が「北海道創生プラットフォーム形成事業」を展開し、遊休施設の活用を目指して市町村と民間事業者とのマッチングに取り組んでいます。士別市の事例は、こうした行政の支援だけでなく、自治体自身の決断と実行力が、福祉や生産・加工、スポーツ・文化といった様々な分野での遊休施設活用を推し進める原動力となることを証明するでしょう。

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