2024年9月2日の東京株式市場では、ダイドーグループホールディングス(GHD)の株価が一時前週末比16円(1%)高の2838円と、約半年ぶりの高値を記録しました。8月27日の取引終了後に未定だった2025年1月期の業績予想を発表したことが投資家の買い材料となり、特に海外飲料事業の成長が好感されました。この発表を受け、投資マネーが断続的に流入している状況です。
ダイドーGHDが発表した2025年1月期の連結純利益予想は、前期比11%増の49億円となっています。業績拡大の背景には、トルコやポーランドといった海外市場での販売好調があります。また、国内ではゼリーなど食品事業の採算改善も寄与すると見られています。これまで業績予想を控えていたのは、トルコ子会社の飲料事業がインフレの影響を受けており、その影響を見極める必要があったためとされています。
予想PER(株価収益率)は18倍で、同業他社であるサントリー食品インターナショナル(19倍台)や伊藤園(24倍台)と比較すると割安感があります。この点について、岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長は、「バリュエーションの観点からも買いが入りやすい」と分析しています。
ただし、株価上昇が続くかは依然として不透明です。ダイドーGHDの主力事業である国内の飲料事業は苦戦しており、2023年11月から実施された一部商品の値上げが販売数量の鈍化を招いています。UBS証券の伊原嶺アナリストは8月27日付のリポートで、「目下の課題は自販機1台当たりの販売数量の回復」と指摘しています。このため、2日の終値は11円安となり、売りが優勢となりました。今後、株価は売り買いが交錯する展開になる可能性があります。
SNS上では、「トルコ市場での成長が注目される」「国内自販機の課題をどう克服するか」といった議論が広がっており、投資家の注目を集めています。ダイドーGHDが海外事業の成長を武器に、国内事業の課題を克服し、さらなる株価上昇を実現できるかが今後の焦点となりそうです。