バドミントン女子ダブルス「ユマサリ」、集大成の舞台で示した絆と闘志

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

2024年9月、パリ・パラリンピックのバドミントン女子ダブルスで里見紗李奈選手と山崎悠麻選手のペア「ユマサリ」が挑んだ決勝戦は、惜しくも中国ペアに敗れ2連覇はなりませんでした。しかし、試合後の2人の表情はすがすがしく、全力を尽くした達成感に満ちていました。里見選手は「悠麻さんの勝ちたいという気持ちが伝わってきて、それが本当にうれしかった」と涙を流しながら語り、互いの信頼と絆を改めて感じさせる瞬間となりました。

このペアにとって、金メダルへの道は決して平坦ではありませんでした。東京大会以降、中国ペアが目覚ましい成長を遂げ、今年2月の世界選手権では完敗を喫しました。26歳の里見選手がライバルへの対抗心を燃やす一方で、36歳の山崎選手は心が折れかけていたと言います。そんなすれ違いの中、8月中旬に行われたフランスでの事前合宿初日、里見選手が切り出した熱い一言が2人の転機となりました。「中国との力の差は感じている。でも『ユマサリ』は強い。かっこいい姿を見せたい」。この言葉に山崎選手も「もう一度金メダルを目指そう」と心を動かされ、ペアとしての結束を取り戻しました。

決勝では、里見選手が持ち味の粘り強さでシャトルを拾い続け、山崎選手は正確なショットで応戦。試合を通じて互いの力を最大限に引き出し、最後まで中国ペアに食らいつきました。ともに交通事故によって車いす生活となった2人にとって、このパラリンピックは特別な意味を持つ舞台でした。特に山崎選手にとっては最後のパラリンピックであり、2018年に結成された「ユマサリ」としての集大成でもありました。

試合後、2人は「笑顔で終わりたい」と交わしていた約束を果たし、互いを称え合いました。SNSでは「2人の絆に感動した」「勝ち負け以上に心を打たれる戦いだった」といったコメントが相次ぎ、多くのファンが2人の姿に勇気をもらったと語っています。

「ユマサリ」の物語は、ただの競技の結果にとどまらず、困難を乗り越えた先にある絆や、諦めない姿勢の大切さを教えてくれました。2人の挑戦が次世代の選手たちに与える影響は計り知れず、彼女たちの名はこれからも語り継がれることでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*