1型糖尿病治療の新時代へ!京都大学、iPS細胞で画期的な膵島細胞移植を目指す臨床試験を発表

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京都大学病院は、2025年にもiPS細胞から作った膵島(すいとう)細胞を用いた臨床試験を開始する予定であると発表しました。この治療法は、重度の1型糖尿病患者にiPS細胞を基に作られた膵島細胞を移植するもので、血糖値を下げるためのインスリン注射の回数を減らしたり、場合によっては不要にしたりする可能性があります。30年代の実用化を目指し、すでに京都大学の治験審査委員会で承認され、医薬品医療機器総合機構(PMDA)への計画書送付を終えています。初の手術は2025年2月に予定されています。

1型糖尿病は、インスリンを分泌する膵島細胞が破壊される病気で、特に若年層に多く見られる疾患です。この病気にかかると血糖値を正常に保つことが困難となり、日々のインスリン注射が必要になります。しかし、症状が進行するとインスリン注射でも血糖値管理が難しくなるケースがあります。現在、日本には10万〜14万人の患者がいるとされ、治療法の進展が切望されています。

今回の治験では、健康な人の細胞から作られたiPS細胞を基に膵島細胞を生成し、これを数センチメートル四方のシート状に加工します。このシートを患者の腹部皮下に移植することで、膵島細胞がインスリンを分泌し、患者の血糖値を調整する役割を担います。この治療法は京都大学と武田薬品工業が中心となって開発を進め、iPS細胞の事業化を担うオリヅルセラピューティクスが製造を担当しています。将来的には国際共同治験を通じて、有効性と安全性をさらに確認していく計画です。

SNS上では、この治療法の発表に対し、「画期的な技術で糖尿病患者の生活が変わるかもしれない」「日本発の医療技術が世界をリードする日が近い」といった期待の声が多く寄せられています。一方で、「治療費はどうなるのか」「誰でも受けられる治療になるのか」といった現実的な疑問も多く、社会全体での議論が求められる段階でもあります。

さらに、世界でも1型糖尿病治療の研究は活発化しています。アメリカの企業バーテックス・ファーマシューティカルズは、ヒト幹細胞から作った膵島細胞を用いた治験で、12人中11人がインスリン注射の量を減らすか、不要になる成果を報告しました。また、日本国内では、国立国際医療研究センターがブタの膵島細胞を使用した治療法を研究中で、これをカプセル化して免疫攻撃を防ぐ技術開発が進められています。

日本発のiPS細胞技術を応用した治療研究は他分野でも進展を見せており、大阪大学では心筋シートを用いた心臓病治療、京都大学では神経細胞を使ったパーキンソン病治療の臨床試験が進んでいます。これらの研究成果は、再生医療分野で日本が世界をリードする一助となるでしょう。今後、京都大学が進める膵島細胞移植の治験がどのような成果を上げるのか、そして1型糖尿病治療がどこまで進化するのか、注目が集まります。

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