2024年9月2日、気象庁が発表した今夏(6月から8月)の日本国内の平均気温は、平年(2020年までの30年平均)を1.76度上回り、昨年と並んで過去最高となりました。特に西日本と沖縄・奄美地方では、統計が開始された1898年以降で最も暑い夏となり、これまでの記録を大きく塗り替えました。
日本の平均気温は都市化の影響を受けにくいよう、地域的な偏りを避けた15地点の観測データを基に算出されています。気候変動による影響で気温の上昇傾向が続く中、今年は偏西風が北寄りに蛇行したため、日本列島が高気圧に覆われる日が多かったことが猛暑の一因となりました。特に7月は広範囲で記録的な暑さに見舞われ、全国の平均気温が昨年を超える異常な状況に。8月は台風10号などの影響で荒天もあったものの、西日本を中心に高温の日々が続きました。
7月29日には、栃木県佐野市で国内過去最高の41.1度に迫る41.0度を記録。また、福岡県太宰府市では7月19日から40日連続で最高気温が35度以上の「猛暑日」となり、国内での連続猛暑日数記録を大幅に更新しました。このような記録的な暑さにより、全国914カ所の観測地点のうち144地点で平均気温が過去最高を記録。猛暑日が観測された延べ回数は8821回に達し、昨年の6692回を大きく上回りました。
このような異常な暑さについて、東京大学の中村尚教授は「今年の気象は異常気象と呼んでも差し支えない」と指摘しています。気象庁も、9月に入ってからも平年を上回る高温が続く可能性があるとしており、熱中症への警戒を呼びかけています。SNSでは、「今年の夏はとにかく耐えられない暑さだった」「毎日の猛暑日が記録的すぎる」といった投稿が相次ぎ、多くの人々がこの異常気象に戸惑いを隠せない様子です。
猛暑の影響は、私たちの日常生活だけでなく、健康やインフラ、さらには農業やエネルギー消費にも大きな影響を及ぼしています。異常気象が続く中、今後の気候変動への対策と適応がますます重要になるでしょう。この夏を教訓に、地球規模での環境保全が一層求められる時代が到来しています。