2024年9月2日、筑波大学がマレーシアの首都クアラルンプールに、日本の大学として初の海外分校を開校しました。この分校では、日本の学位が取得可能な学部を設置し、国際的なプレゼンスを高めるとともに、優秀な学生の確保を目指しています。この挑戦的なプロジェクトは、日本の高等教育の新たな可能性を示すものとして注目を集めています。
分校には「学際サイエンス・デザイン専門学群」が新設され、マレーシア人7人と日本人6人、計13人の学生が初めて入学しました。この学群では、データサイエンスを基盤に、自然科学や人文社会科学など幅広い分野を学べるカリキュラムを提供します。授業は主に英語と日本語で行われ、多文化の中で学びを深めることができます。分校はマレーシアの名門校であるマラヤ大学の施設内に設置され、同大学との共同研究や協力体制を構築しています。学費はマレーシア人が年間35,000リンギット(約118万円)、それ以外の学生は38,000リンギットとなっています。
開校式で挨拶した筑波大学の永田恭介学長は、「我々は世界的な課題を解決することを目指す」と語り、この新たな試みへの意気込みを示しました。新入生のひとりでクアラルンプール出身のヨー・ザーさん(21歳)は、「日本のアニメが好きで、日本の言語や文化に興味があります。将来的には日本企業への就職も視野に入れています」と期待を語り、多くの学生にとってこの分校がグローバルなキャリアへの第一歩となることをうかがわせました。
SNSでは、「日本の大学が海外進出するなんて素晴らしい」「日本とマレーシアの教育交流が深まるのが楽しみ」といったポジティブな声が相次いでいます。一方で、「学費の高さや現地学生への負担はどうなるのか」といった議論もあり、多くの関心が集まっています。
筑波大学の海外分校開校は、日本の教育をグローバルに広げるだけでなく、多文化交流を通じて世界的な課題に取り組む人材の育成にも貢献するでしょう。この試みがどのような成果を生むのか、今後の動向に注目が集まります。