2024年9月1日、パリ市のピエール・ラバダン副市長(スポーツ・五輪・パラリンピック担当)が記者会見を開き、今後もセーヌ川でスポーツ大会を継続開催する方針を明らかにしました。五輪とパラリンピックでトライアスロンなどの競技会場となったセーヌ川について、「水質は改善しており、遊泳にも問題はない」と改めて強調しました。
この日は、パラリンピックで予定されていたトライアスロンが、雨による水質悪化の影響で9月2日に延期されるという決定が発表されました。ラバダン副市長は「8月30日と31日に流域で降雨があったため、延期は想定内だった」と説明し、セーヌ川の利用そのものに問題はないとの立場を示しました。
セーヌ川での競技開催を続ける理由については、「選手たちがここでの競技を喜んでいるからだ」と述べ、選手の意向を尊重していることを強調しました。また、会見に同席したフランス水泳連盟のラズレグ・ベネラジュ副会長も、「五輪でセーヌ川を泳いだ選手たちから、再びこの場所で大会を開催してほしいとの要望が寄せられた」と明かし、競技者の支持があることをアピールしました。
五輪開催後、一部の選手に体調不良が報告されたこともあり、セーヌ川の水質を巡る議論は続いています。しかし、ベネラジュ副会長は「セーヌ川での競技が健康問題を引き起こした事実はない」と断言し、安全性に自信を示しました。
SNSでは、「セーヌ川での競技継続はパリの象徴的な試み」「水質問題がクリアされれば、都市型トライアスロンのモデルケースになりそう」といった前向きな声がある一方、「本当に安全なのか」「雨で簡単に水質が悪化するなら、今後も影響が出るのでは」と懸念を示す投稿も多く見られます。
パリ市当局は、セーヌ川の水質改善を五輪・パラリンピックの重要なレガシー(遺産)と位置づけており、長期的な浄化プロジェクトを進めています。都市の中心を流れる川で国際競技を開催するという挑戦が、今後どのように展開されていくのか、世界の注目が集まります。