2024年9月2日、能登半島地震の被災地支援に延べ約114万人が従事した自衛隊の活動が8月末で終了し、石川県珠洲市では見送りセレモニーが行われました。地震災害派遣としては過去最長の8カ月に及ぶ支援に対し、住民からは「ありがとう」「お世話になった」といった感謝の言葉が次々と寄せられ、別れを惜しむ姿が見られました。
自衛隊は、発災直後から孤立した集落の住民を移送し、道路の土砂撤去や炊き出し、給水支援などを行い、被災地の復旧を全力で支えてきました。この日、約90人の隊員が参加したセレモニーでは、珠洲市の泉谷満寿裕市長が「市民の大切な命を救い、守っていただきました。市民を代表して感謝申し上げます」と述べ、長期間の支援に敬意を表しました。
セレモニー終了後、珠洲市を離れる自衛隊車両が沿道を通ると、多くの住民が手を振りながら見送りました。自宅が損壊し、3カ月以上避難所での生活を強いられたという70代の女性は、「最初の頃から炊き出しや給水支援をしてもらい、本当に助かりました。自衛隊の車を見るだけで安心できた」と、支援への感謝の気持ちを語りました。
SNS上でも、「自衛隊の皆さん、本当にお疲れ様でした」「被災地に寄り添い続けた姿に感動した」「こんなに長く支援活動が続いていたとは知らなかった」といった声が広がり、その献身的な働きに多くの人が敬意を示しています。一方で、「復興はまだ道半ば。引き続き支援が必要」といった意見もあり、今後の支援体制の継続に対する関心も高まっています。
被災地では依然として厳しい状況が続いており、インフラ整備や住宅再建など、課題は山積しています。自衛隊の撤収後も、行政やボランティア、地域住民が協力しながら復興を進めていくことが求められます。能登半島地震からの再生に向け、引き続き支援の輪が広がることが期待されます。