2024年9月2日午前8時50分ごろ、広島市中区の「中島土谷クリニック」で「異臭がする」との院内連絡があり、職員が確認したところ、患者らを安全のため避難させる事態となりました。異臭発生から約40分後に119番通報が行われ、駆けつけた消防によってクリニック内の安全確認が行われました。
クリニックを運営する医療法人によると、2種類の薬剤が誤って混ざったことで、有害な塩素ガスが発生したとみられます。記者会見で土谷治子理事長は、「透析装置の消毒剤補充時に手順の誤りがあり、酢酸と次亜塩素酸ナトリウムが混ざってしまった」と説明しました。次亜塩素酸ナトリウムは強い殺菌作用を持つ消毒剤ですが、酸性の物質と反応すると塩素ガスが発生し、有毒となるため取り扱いには細心の注意が必要です。
この事故により、体調不良を訴えた9人が近隣の病院に搬送され、治療を受けましたが、命に別状はないとのことです。SNSでは、「透析患者さんに影響がなかったのが何より」「消毒作業の手順ミスでこんな事態になるとは怖い」といった声が寄せられ、医療現場の安全管理の重要性を改めて考えさせられる出来事となりました。一方で、「塩素ガス発生のリスクがあるなら、もっと厳格なマニュアルが必要なのでは?」といった意見もあり、今後の再発防止策に注目が集まっています。
病院やクリニックでは、日常的にさまざまな薬剤を使用しており、少しの取り扱いミスが重大な事故につながる可能性があります。今回の件を受け、消毒作業の手順をより厳格化し、安全管理の徹底が求められるでしょう。