2019年06月07日に厚生労働省から発表された2018年の人口動態統計は、四国地方における出生の状況を詳しく示しています。この統計によると、女性が一生涯に産む子どもの推計値を示す合計特殊出生率は、四国4県すべてが全国平均の1.42を上回っているという、明るい一面が見られます。具体的には、香川県が1.61、愛媛県が1.55、徳島県が1.52、そして高知県が1.48という数値で、この地域が日本の出生を支える重要なエリアの一つであることを物語っていると言えるでしょう。近隣の中国地方と比較しても、四国4県中2県で上昇しているのは特筆すべき点です。
しかしながら、その内訳を見てみると、地域ごとの状況には濃淡が見られます。前年の2017年と比較して、愛媛県と徳島県ではそれぞれ0.01ポイントの上昇が見られましたが、香川県は0.04ポイント、高知県では0.08ポイントと比較的大きな低下を記録しています。このデータは、四国全体で見れば高い出生率を維持しているものの、その構造は非常に不安定である現状を示唆しているのです。筆者としては、この統計結果は、地域社会全体で出生を支える仕組みづくりが、特に若年層の定着と強く結びついていることを改めて意識させるものだと感じています。
この人口動態統計はSNS上でも大きな話題となっています。「全国平均より高いのはすごい!」といった肯定的な意見の一方で、「若い人が地元に残らないと意味がない」「結局、出生数自体は減っている」といった厳しい現実を指摘する声も多く見受けられました。合計特殊出生率が高いにもかかわらず、出生数そのものは四国4県合計で4.4%減少し、2万5,786人という厳しい水準に落ち込んでいるのです。特に香川県での減少幅が目立っており、この地域の抱える**「若い女性の県外流出」という構造的な課題が、統計数値にも明確に表れていると分析できます。
合計特殊出生率の定義を補足しますと、これは「その年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計した値」であり、一人の女性が仮にその年の年齢別出生率で一生涯子どもを産むとした場合の試算値です。この数値が高くても、子どもを産む年齢層の女性人口自体が減ってしまえば、当然ながら生まれる子どもの総数(出生数)は減少します。現在、四国では大学進学などを機に、未来の親となるべき若い女性たちが県外へと流出しているため、高い出生率が実際の出生数に結びつきにくいというジレンマに直面しているのです。
さらに、四国4県における死亡数の合計が5万人を超えているという事実は、出生数との大きな差を示しており、この地域の人口減少に歯止めがかからない状況を浮き彫りにしています。また、婚姻の状況も芳しくありません。人口1,000人あたりの婚姻届件数を示す婚姻率**は、4県すべてで3.8から4.4にとどまっており、全国平均の4.7を下回る結果となりました。筆者としては、出生率の上昇にはまず結婚というステップが欠かせませんから、行政や地域社会は、若い世代が「縁を結びたい」「家庭を持ちたい」と思えるような環境づくり、例えば仕事と生活の両立支援や子育て支援の強化を、より一層強力に推進していく必要があると考えています。