2024年7月、東北6県の有効求人倍率(季節調整済み値)は前月比0.01ポイント上昇し、1.22倍となりました。青森県や岩手県を含む4県での求人増加が全体を押し上げ、宮城県と秋田県では横ばいとなるなど、地域全体として安定した雇用状況が維持されています。下落した県がなかった点も、労働市場の底堅さを示しています。
特に青森県では、宿泊・飲食業界の求人が増加傾向にあり、青森労働局の担当者は「新型コロナウイルスの影響が落ち着いたことで旅行需要が回復し、観光業の活性化が求人増につながっている」と分析しています。SNSでも「観光業の復活が実感できる」「地元の経済が上向いているのは嬉しい」といった前向きな反応が目立ちました。
一方、宮城県の産業別動向を見ると、情報通信業の新規求人数が前年同月比で7.8%増加する一方で、宿泊・飲食サービス業は36.7%の大幅減となりました。製造業も10.9%減少しており、宮城労働局の関係者は「物価高や円安の影響で製造業の経営環境は厳しくなっています。また、宿泊・飲食業界では人手不足が続いているものの、外国人労働者の定着が進んだ結果、求人は減少傾向にある」と指摘しています。
こうした変化は、東北地域の経済状況や産業構造の移り変わりを映し出しており、特に観光業の回復が雇用市場に好影響をもたらしていることが明らかです。今後も、各産業の動向が地域経済にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まりそうです。