ITソリューションを提供するシーイーシー(CEC)が2019年6月11日に発表した、2020年1月期第1四半期(2019年2月1日から2019年4月30日まで)の連結決算が、大きな注目を集めています。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を背景に、純利益は前年同期に比べて27%増の11億円という目覚ましい成長を遂げました。この好調の背景には、特に製造業のお客様向けのシステム開発において、収益性の高い案件を数多く獲得できたことが挙げられます。日本経済の屋台骨を支える製造業の現場で、どのようなIT投資が活発化しているのか、その実態を探ることで、同社の戦略と今後の展望が見えてくることでしょう。
今回の業績発表に対するSNSの反響は非常に好意的で、「製造業向けの強みが活きている」「DXの流れに乗っている証拠だ」といったコメントが散見されます。特に、製造ラインの効率化やデータ活用に関するシステム、いわゆるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用した案件が増加していることが、利益率向上に直結していると考えられます。純利益とは、企業が事業活動で得た全ての収益から、費用や税金などを差し引いた「最終的な儲け」を示す重要な指標であり、これが大幅に増加したことは、同社の提供するソリューションが市場で高い評価を得ている証明になるでしょう。
増益の鍵を握る「収益性の高い案件」とは
純利益が大幅に伸びた要因として、会社側は「収益性の高い案件が増えた」ことを挙げています。これは、単に受注件数が増えただけでなく、技術的に高度であったり、顧客の課題解決に深く貢献したりする、付加価値の高いプロジェクトが増加したことを意味するのではないでしょうか。具体的には、製造現場における膨大なデータを分析し、生産性向上や品質管理を最適化するような、高度なカスタムメイドのシステム開発が中心だと推測できます。このような案件は、初期投資は大きいものの、長期的に企業の競争力を高めるため、顧客からの要望も強く、結果としてシステム開発企業側も高いフィー(報酬)を得やすくなる構造があります。
私の見解では、これはIT業界全体が向かうべき方向性を示していると感じています。単なるシステムの運用・保守に留まらず、顧客のビジネスモデルそのものに変革をもたらすような、コンサルティング要素の強いITソリューションの提供こそが、今後の成長の鍵となるでしょう。シーイーシーは、この波をいち早く捉え、製造業という強固な基盤を持つ市場で成果を出していると言えるのです。この勢いを維持するためにも、継続的な技術者へのR&D(研究開発)投資や、最新技術へのキャッチアップが重要になるでしょう。
なお、2020年1月期通期の業績予想については、今回の好調な第1四半期の決算を受けても、会社は現時点では据え置きとしています。これは、第2四半期以降の市場動向や、大型プロジェクトの進捗を慎重に見極めるという、堅実な姿勢の表れだと受け止められます。同社の今後の決算発表にも、引き続き注目していくべきでしょう。