公務員は、民間企業では「使えない」と言われています。
法律や規則に厳格で融通が利かなく、効率性を重んじないお堅い職業の公務員は、利益を追求する民間企業には馴染めないと思われがちです。
そうした公務員に対するイメージが、公務員から民間企業への転職を難しくしています。
「公務員は潰しが利かない」ともよく言われます。
なぜ公務員は使えないと言われるのでしょうか?
公務員が使えないと思われる要因を徹底解明します。
公務員の仕事は成果を求めにくく、KPIの設定が困難
公務員の仕事は総じて法令や規則に基づいて行うことが大前提となります。
決められたことを決められて通りに行うという公務員の仕事の性質上、仕事に成果を求めるのは非常に難しいことです。
適切に遂行すれば誰がやっても同じ結果になる業務に、成果など求められる訳がありません。
まして公務員の目先の目標は法令・規則に基づいた適切な業務の執行になります。
法令や規則に書かれているという理由だけで、どんな非効率な業務も意味のない業務も罷り通ってしまうのです。
逆に法令や規則にない業務を行うことは越権行為とすら捉えられてしまいます。
民間の営利企業の営業職などは業務の成果として契約数や売上額などのKPIを設定するでしょう。
またマーケティングなどは、成約率やwebサイトへのアクセス数などの明確な成果があるものです。
もちろん民間企業でも成果を定めにくい業務は存在するでしょう。
経理や総務の仕事のように、決められたことを決められたとおりに行うことが必要とされる仕事は直接的な成果を求めにくいはずです。
それでも民間の営利企業の究極的な目標は、売上や利益の最大化です。
会社の収益の源泉である売上を上げない限り、会社は存続すらしえないでしょう。
しかし公務員の究極的な目標は公共の利益の維持向上であり、地域や国家の繁栄という抽象的でよくわからないものです。
モノやサービスを提供して対価を受け取ることによる利益の最大化が究極の目標である民間企業は、利益を最大化するために多くの成約や販売を目指します。
まさしく民間の営利企業のKPIは数値に直結するのです
一方で公務員は、目先の業務の目標と究極的な仕事の目標がどちらも数字に直結しません。
何を目標にして仕事をしているのかの根本的な違いが、公務員の仕事に対する意識の特異性を生んでしまうのです。
仕事熱心な人は、余計な仕事を増やす面倒な奴
決まった仕事を法令・規則に基づいて執行するという公務員の仕事は、やる気のない職員と面倒くさい職員の二極化をもたらします。
成果を出せば出すほど究極的に会社の利益に貢献するのが民間企業の仕事です。
ところがいくら情熱を傾けて熱心に仕事をしたところで、結果は同じとなる公務員の仕事では、いかに楽をして最低限の仕事をこなすかという考えに陥ります。
部下に仕事を押し付けて上司のゴマすりに奔走する人がいたり、とにかく周りに仕事を押し付けて何もせずに居座り続ける人がいたりと呆れる職員も多いです。
一方で仕事熱心な人ほど、余計な仕事ばかり増やして「面倒な奴」だとのレッテルを張られてしまいます。
何を足掻こうと結果が変わらない業務に熱心になればなるほど仕事が増えて、周囲の負担は増大するからです。
余計な仕事ばかり増やして仕事してますアピールす人が、なぜか高い人事評価を受けてしまうこともよくあります。
【対顧客意識の欠如】強力な権限から自分が偉いと勘違いしやすい
公務員は行政権を司ることから強力な権限を持ちます。
各種の許認可権や法令等の制定による規制、行政指導などの民間人や企業に対して指導・監督する立場にあるのです。
そのため普通に仕事をしているだけで、対民間に対して上から目線で接することが染みついてしがちです。
この傾向は、住民対応を強いられる市町村の職員よりも県庁や国家公務員に特に顕著でしょう。
民間の営利企業では、会社に利益をもたらす顧客を最優先にすることが求められます。
会社の収益の源泉である顧客を敬う意識が当然に培われる民間企業に対して、公務員は顧客意識が希薄になりがちです。
公務員が性質上もつ強力な権限と、顧客意識の欠如が公務員が民間人からみて非常識で横暴に見えてしまう要因なのでしょう。
相手の粗探しや矛盾を見つけ指摘することが正義になってしまう
公務員は対外的に強い権限を持ちがちです。
補助金の支給決定や各種許認可権限など、行政に何らかの支援や許認可を求める者の申請内容を審査し、決定を下します。
相手の申請や主張が法令に基づいているかや、不備や誤りがないかを確認するのが行政の大きな仕事です。
そのため申請内容の矛盾点や不備・誤りを見つけ出すことに熱心になればなるほど、相手の粗探しに躍起になってしまいます。
軽微な誤りや悪意なき不備に過剰なまでの指導や叱責をして自己満足に陥る公務員が後を立ちません。
知らず知らずのうちに相手の粗探しが正義と化してしまいがちなことが、顧客の満足と信頼が大切な民間企業との意識の乖離をも荒らしてしまうのです。
仕事を押し付けるのが正義という意識
どこの世界にも面倒な仕事を他に押し付けようとする人はいるでしょう。
それでも本来やるべき仕事を無理尻他の人に押し付けるような振る舞いは批判の的になります。
しかし公務員の世界では時に相手に仕事を押し付けることが、一種の成果であるような褒めたたえられることがあるのです。
公務員の世界で高いモチベーションで仕事をしている人は多くはありません。
くだらない雑務のような面倒な仕事も多いです。
そうすると出来るだけ面倒な仕事を他部署や外部機関へ押し付け、自分たちの負担を減らそうという意識に傾いてしまいます。
また厳格に業務の所掌が決められ縦割りで職務を執行する公務員は、所掌の不明確な仕事をとにかく自分のチームで受けたくありません。
自分の所掌でないことの一点張りで仕事を何とか引き受けないように懸命になるのです。
本来仕事は、誰がやるかはさておき誰かがやらなければならないという意識があるものです。
誰かがやらねばならないのであれば、率先してやろうとする人がいたり、チームで何とかしなければいけないと意識を共有するでしょう。
それでも公務員の世界にはまるで仕事を引き受けることが悪のごとく、仕事を押し付け合う文化が当然のように罷り通っているのです。
もともと公務員になりたがる人は頭の固い人が多い
公務員は真面目な人が多いと言われますが、頭の固い人も非常に多いです。
「真面目」なことと「頭が固い」ことは、異なります。
「頭が固い」と時代に合わせて変化したり、その場の状況に応じて柔軟に対応することができません。
急速な情報技術の進歩に対応して、新たなトレンドや考えを取り入れたり、システム化や自動化を促進するには変化対応力が必要です。
「頭が固い」ことが、時代に合わせた変化に対応するスピードの遅さに繋がっている面は否めないでしょう。
また法令や規則などで業務が雁字搦めの公務員の仕事が、公務員の頭の固さや融通の利かなさに拍車をかけています。
もっと公務員の採用を多角化し、多様な人材を取り入れることで、組織の新陳代謝を図っていくことも大切でしょう。
まとめ
公務員の仕事も多種多様です。
公務員の仕事で得たスキルが民間企業で全く通用しないわけではないでしょう。
もちろん使えない公務員もたくさんいますし、優秀な人もいます。
それは民間企業でも同じです。
少なくても公務員の仕事は全般的に、民間企業にはない特殊性をもっていることもまた事実です。
公務員であっても自己研鑽を怠らず、変化を恐れない気持ちを持つことが何より重要なのでしょう。
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