🔥**【2019年6月】巨大IT規制と景気後退の兆候:成長株から公益株への「潮目」か?** 90年代の教訓とGAFA・逆イールドの共通点

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2019年6月14日、世界の金融市場では、株式の**「潮目(しおめ)」、つまり大きなトレンドの転換期が訪れるのではないかという論調が強まっていました。特に注目されているのが、これまで相場を牽引してきた成長株から、公益株へと投資の主役が交代する可能性です。この転換期に共通して見られる現象として、専門家が指摘するのは、市場を寡占化している巨大な事業モデルに対する政府の規制強化の動きであります。

スイスの大手プライベートバンクであるピクテの分析によると、過去に成長株が勢いを失い、ディフェンシブな公益株へ資金がシフトした局面では、例外なく特定の企業による市場独占に対する政府からのメスが入っていました。最も分かりやすい例が、1990年代後半のITバブル終盤における、マイクロソフト社に対する規制の動きでしょう。当時、同社の基本ソフト(OS、オペレーティングシステム)の市場独占が問題視され、激しい規制論争が巻き起こりました。そして今、まさに同じような状況が、GAFAと呼ばれる巨大IT企業群(Google、Apple、Facebook、Amazon)に対して持ち上がっている反トラスト法の適用議論という形で再現されています。反トラスト法とは、アメリカにおける独占禁止法のことであり、公正で自由な競争を促すための法律です。成長の牽引役である巨大IT企業への規制強化は、投資家心理に大きな影響を与えるでしょう。

さらに、金融市場の動きもこの「潮目」を示唆しています。世界各国の中央銀行が「ハト派」**に転換し、金融緩和の姿勢を見せていることに加え、米国の長短金利の逆転(逆イールド)が継続しているのです。ハト派とは、景気刺激やインフレを容認し、金融緩和に積極的な姿勢を指す言葉で、これに対し、インフレ抑制を優先し、金融引き締めに積極的な姿勢は「タカ派」と呼ばれます。また、逆イールドとは、通常は長い期間の金利の方が高いはずの長短金利が、短期間の金利の方が高くなる現象のことで、これは歴史的に景気後退の有力なサインとされています。このような状況下で、多くの投資家は、世界経済がいつピークを迎え、景気後退が始まるのかという点について、非常に神経質になっているのです。

👀 公益株への再評価と成長への期待

では、なぜ公益株に注目が集まるのでしょうか。その理由の一つとして、公益株がこれまで市場で割安に評価されてきた側面が挙げられます。そしてもう一つの大きな魅力は、一見地味に見える公益事業の中にも、長期的な成長が期待できる分野が存在するという点です。たとえば、通信セクターでは、現代のデータ経済の拡大という波に乗って需要が伸び続けています。また、鉄道会社の場合、単に運賃収入だけでなく、沿線の不動産開発といった事業を通じて、安定した収益と成長を見込むことができるのです。

BNYメロン・アセット・マネジメント・ジャパンの王子田賢史氏は、「長期でみれば成長期待のある銘柄がある」と指摘しています。安定した収益基盤と、隠れた成長の種を持つ公益株は、景気後退のサインが濃くなる中で、ますます投資家にとって魅力的な選択肢となりつつあるでしょう。実際に、2019年4月末からの株価上昇率を見てみると、NTTが8.3%、京王電鉄が8.8%と、通信や鉄道といった公益株が目覚ましい上げを記録しているのが分かります。このトレンドが明確になれば、株式市場では**「新しい公益株の10年」**という長期的なテーマが始まる可能性も考えられるでしょう。

【表】上げが目立った公益株(2019年4月末からの株価上昇率)

セクター 銘柄名 4月末からの株価上昇率 予想PER 配当利回り
通 信 NTT 8.3% 11.0倍 3.8%
KDDI 7.6% 10.3倍 4.0%
ソフトバンク 6.8% 13.9倍 6.1%
NTTドコモ 3.0% 14.3倍 4.8%
鉄 道 京王 8.8% 31.2倍 0.7%
東急 6.9% 20.3倍 1.1%
近鉄GHD 6.6% 27.7倍 1.0%
JR西日本 6.4% 14.2倍 2.2%
京成 4.1% 20.9倍 0.4%
電力ガス 北ガス 5.3% 8.8倍 3.3%
中国電 3.8% 18.9倍 3.6%
九州電 0.9% 9.6倍 3.7%

※注:予想PER(株価収益率)は、株価が1株当たり利益の何倍かを示し、低いほど割安とされる指標の一つです。配当利回りは、株価に対して配当金がどれくらいの割合かを示すもので、高いほど投資額に対して受け取れる配当が多いことを意味します。

💡 編集者としての考察:歴史は繰り返す?

私見ではございますが、この成長株から公益株への資金シフトの背景には、単なる景気循環論を超えた、「投資における価値観の揺り戻し」があると考えています。90年代後半のマイクロソフト独占問題も、足元のGAFAへの規制議論も、本質は同じです。それは、一部の巨大企業が技術やプラットフォームを独占し、イノベーションの芽を摘み、社会全体の利益を損ねているのではないかという公正性への問いかけであります。SNSでは、GAFAのような巨大企業のサービスは便利である一方、「個人データの取り扱いが不透明だ」「競争を阻害しているのではないか」といった、倫理的な側面や社会的な影響に対する懸念の声が以前にも増して高まっているのを感じます。

確かに、GAFAは私たちの生活を豊かにし、相場を牽引する力を持っていましたが、その成長の持続性に対して、政府規制や社会的な批判という形でリスクが顕在化し始めているのでしょう。一方で、公益株は、地味ながらも社会生活の基盤を支え、安定した収益をもたらします。金融緩和と逆イールドという不安材料が重なる今だからこそ、投資家は派手な成長よりも、**「確実性」と「社会インフラとしての本質的な価値」**を見直しているのだと私は強く感じます。過去の教訓が示すように、巨大な独占企業への規制の動きは、市場の勢力図を塗り替える大きなトリガーとなる可能性を秘めているのではないでしょうか。

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