みなさん、こんにちは。インターネットメディア編集部です。今日は2019年6月13日、世界情勢を読み解く上で非常に興味深い、ある「逆説的」なレポートについてお話ししたいと思います。
最近、ニュースを見ていると「民主主義の危機」や「終焉(しゅうえん)」といった言葉を耳にすることが増えたのではないでしょうか。中国の台頭や、各地で強権的なリーダーが支持を集める現状を見ると、確かに私たちの信じてきた価値観が揺らいでいるように感じるかもしれません。
しかし、著名な政治学者であり、コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」の社長でもあるイアン・ブレマー氏の見解は、私たちが抱くイメージとは少し異なる驚きの実態を映し出しています。
同盟国日本とライバル中国、米国への意外な評価
トランプ米大統領が5月に来日し、大歓迎を受けたことは記憶に新しいですね。一方で、米中関係は関税の引き上げ合いやハイテク規制など、「貿易戦争」の真っ只中にあります。常識的に考えれば、親密な同盟国である日本の国民は米国を肯定し、激しく対立する中国の国民は米国を否定しそうなものです。
ところが、ユーラシア・グループ財団(EGF)が行った最新の国際世論調査の結果は、私たちの予想を大きく裏切るものでした。
なんと、日本においては「米国的民主主義」に否定的な意見を持つ人が、肯定的意見を持つ人の約3倍にも上ったというのです。さらに、今後20年で日本の政治システムが「米国のようにならないこと」を願う声の方が多数派でした。私たちは同盟国でありながら、現在の米国のあり方にはかなり冷ややかな視線を送っていることが浮き彫りになりました。
対照的に、中国では驚くべき傾向が見られます。「自国政府が米政府のようになることを願う」「米国に肯定的な意見を持つ」と答えた人が、そうでない人の約3倍に達したのです。これは一体どういうことでしょうか。
外交対立と市民の「本音」は別物
この結果から読み取れるのは、国の外交政策と、そこに暮らす人々の心情は必ずしもリンクしないという事実です。中国政府は連日、プロパガンダ映画を流すなどして反米感情を煽っていますが、市民レベルでは「個人の自由」や「権利」が保障される米国のシステムへの憧れが根強く残っているのでしょう。
ここで少し専門的なお話をしますと、かつての政治学には「開発独裁」という定説がありました。これは、貧しい国が経済発展するためには、強力なリーダーシップ(独裁)が一時的に必要だが、豊かになれば人々は自由を求め、やがて民主化するという考え方です。
中国はGDPで米国に迫る勢いですが、依然として一党独裁が続いています。しかし今回の調査結果は、中国の人々の心の中に、やはり「自由への渇望」がしっかりと息づいていることを証明しているのではないでしょうか。
編集後記:人間の根源的な欲求は抑え込めない
今回の記事に関して、SNS上では驚きの声が広がっています。「日本人が意外と米国に冷めててリアル」「中国の人が自由を求めてるのは切実だな」「政府同士が喧嘩してても、市民の憧れは止められないってことか」といった反応が見られました。
私自身の意見としても、どんなに強権的なシステムで情報を統制しようとも、人間が本能的に持つ「自由でありたい」「自分の権利を守りたい」という欲求を完全に消し去ることは不可能だと感じます。
むしろ、抑圧されればされるほど、その輝きは増すのかもしれません。中国政府が米国の政治モデルを恐れているのは、まさに自国民がそれを求めていることを知っているからではないでしょうか。2019年6月13日現在、米中対立は予断を許しませんが、長期的な視点で見れば、人々の「意志」が歴史を動かす日が来ることを期待せずにはいられません。