2019年6月20日、東証マザーズ市場に新規上場を予定している株式会社ピアズ(7066)は、携帯電話販売代理店の経営を支援するというユニークな事業を展開しており、大きな注目を集めています。特に、NTTドコモの代理店に特化した支援体制を築いている点が、同社の最大の強みであり、成長戦略の核を成していると言えるでしょう。
同社の支援サービスは多岐にわたります。具体的には、販売員の方々に対して、電話会社のサービス内容や最新の端末機能に関する知識を習得させるための研修を実施しています。これは、高度化・複雑化する携帯電話市場において、質の高い接客とサービス提供を可能にするための重要な役割を担っています。また、管理職向けには、優秀な人材の採用ノウハウや、店舗を効率的に運営するためのコンサルティングを提供しているのです。
ピアズ社の売上高の過半数をドコモ向けの事業が占めており、今後もこのドコモ特化の姿勢を貫く方針です。創業者である桑野隆司社長は、他の携帯電話会社の代理店支援には進出せず、ドコモ向けの支援先をさらに広げることで成長を図るとしています。特定の分野に集中し、その領域での専門性(ニッチトップ戦略)を極めることで、他社には真似できない深いノウハウを提供し続けるのでしょう。これは、非常に理にかなった戦略だと私は考えます。
さらに、同社は代理店や家電量販店に対して、サービス内容や商品の説明を行う営業員の派遣も手掛けています。これは、販売現場の「人手不足」や「知識不足」という喫緊の課題を直接的に解決するサービスとして、代理店側からのニーズが非常に高いと見られます。上場によって調達する資金は、この事業拡大を支えるためのシステム投資や、優秀な人材の採用に充当する計画です。
携帯販売店の「質」を高める独自のビジネスモデル
携帯電話市場は、料金プランの複雑化や高性能なスマートフォンの登場により、お客様への説明責任が非常に重くなっています。この状況において、ピアズ社が提供する「販売員の知識習得研修」や「店舗運営ノウハウ」は、代理店のサービス品質(クオリティ)を底上げするために不可欠なサービスです。これは、単なるアウトソーシング(業務委託)ではなく、顧客体験の向上に直結する高付加価値な経営支援と言えるでしょう。
2018年9月期の売上高は1,994百万円、税引き利益は266百万円でしたが、2019年9月期(予想)では、売上高2,684百万円、税引き利益326百万円と、順調な増収増益を見込んでいます。1株利益も、株式分割調整後で140.59円から149.88円への成長が予想されており、その勢いがうかがえます。新規上場(IPO)は、この成長をさらに加速させるための重要なステップとなるでしょう。
株式の公開に際して、公募株式数は207,000株、売り出し株式数は179,500株、そしてオーバーアロットメントによる売り出し株式数が57,900株となっています。申込期間は2019年6月13日から18日までで、払込期日は6月19日です。主幹事はSMBC日興証券が務めています。
創業者の桑野社長は、上場後もご自身の資産管理会社とともに過半数の株式を保有する見通しで、経営の安定性は高いと言えます。しかし、当面は成長投資を優先するため、「配当や株主優待は検討していない」とのことです。これは、短期的な利益還元よりも、事業を大きく拡大させ、中長期的な企業価値の向上を目指すという経営の強い決意の表れでしょう。
将来は携帯以外の分野へ!市場の反響と私の見解
中期的な視野で、ピアズ社は携帯電話代理店支援で培ったノウハウを活かし、将来的には携帯電話以外の販売代理店への支援も視野に入れているとのことです。この多角化の可能性こそが、同社の隠れた魅力だと私は感じます。例えば、保険や自動車、あるいはITサービスなど、専門的な知識と質の高い接客が求められる分野は他にも無数に存在します。ピアズ社の「人」と「ノウハウ」を核としたビジネスモデルは、多くの業界に応用可能でしょう。
SNS上でも、「ドコモ特化は手堅い戦略」「営業支援は市場のニーズに合っている」といった、その事業内容に対する肯定的な反響が多く見受けられます。特に、携帯販売店のサービスの質が問われる昨今、このニッチな分野での専門性が評価されている様子です。
2019年6月13日の新規公開株の情報公開というタイミングにおいて、ピアズ社は、まさに「人」という経営資源を最大化し、日本のサービス業全体の質を高める可能性を秘めた企業であると評価できるでしょう。今後の成長と、携帯電話業界の枠を超えた展開に期待が高まります。