速報:2019年4月 実質賃金が1.1%減少!物価高の中でなぜ給与は伸び悩むのか?

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2019年6月14日に厚生労働省から発表された「4月の毎月勤労統計調査」(速報、従業員5人以上)は、日本の働く人々にとって少々気がかりな数字を示しました。この調査によると、実質賃金が前年同月と比較して1.1%も減少していることが判明したのです。実質賃金とは、私たちが手にする給与(名目賃金)から、物価の変動、つまりインフレの影響を除いて、実際にどれだけ購買力が増減したかを示す重要な指標です。この数字がマイナスということは、給与が上がっても物価の上昇に追いつかず、実質的な生活の豊かさが目減りしていることを意味します。

今回の実質賃金の低下の主な要因は、名目賃金、すなわち1人当たりの現金給与総額が伸び悩んだことにあります。4月の現金給与総額は27万7,261円となり、前年同月比で0.1%減少という結果になりました。消費者物価指数は「堅調に推移」、つまり物価は上がり続けているにもかかわらず、給与の増加がストップしたため、物価変動を考慮した実質的な価値が大きく押し下げられたのです。

給与の内訳を詳しく見てみますと、毎月決まって支払われる基本給にあたる所定内給与は0.1%の微増でした。しかし、残業代などにあたる所定外給与が1.1%減少、さらにボーナスや一時金といった特別に支払われた給与が3.2%も大幅に減少しています。この特別給与の減少が、全体の現金給与総額をマイナスに転じさせた大きな要因と見られます。この結果に対し、SNSでは「物価だけ上がって生活が苦しくなる」「大企業は好調でも末端まで恩恵が届かないのでは?」といった、生活実感と統計の乖離に対する不安や不満の声が多く見受けられました。

一方で、パートタイム労働者の動向には明るい兆しが見られます。パートタイム労働者の時間当たり給与は1,151円と、前年同月比で1.9%増加しました。これは、深刻化する人手不足を背景に、企業の側が非正規雇用者の待遇改善を進めている現状が反映されているのでしょう。厚生労働省は、今回の調査結果を踏まえつつも、全体の賃金動向の「基調としては緩やかに増加している」というこれまでの判断を維持しています。しかしながら、筆者としては、この実質賃金がマイナスに転じた事実は、現在の景気拡大の恩恵が広く国民に行き渡っているとは言い難い現状を浮き彫りにしていると考えています。特に特別給与の大幅減は、企業の業績によって給与が変動しやすい日本の雇用環境の脆さを示していると言えるでしょう。

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