【製薬業界の革新】大阪商工会議所発スタートアップ「ピオニエ」を塩野義製薬が買収!創薬効率化を実現する新モデルとは?

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2019年6月13日、医薬品開発の領域において、日本のビジネス界と製薬業界の連携が生んだ注目すべきニュースが飛び込んできました。大阪商工会議所(大商)が設立を主導した創薬支援のスタートアップ企業「ピオニエ」(大阪市)を、大手製薬会社の塩野義製薬が買収した、と大商が翌14日に発表したのです。この買収劇は、従来の創薬プロセスに一石を投じ、その効率化を大きく前進させる可能性を秘めているため、業界内外から熱い視線が注がれています。

ピオニエは、塩野義製薬から事業分離(カーブアウト)された新薬候補の研究を引き継ぎ、その薬効や安全性を確認することに成功しました。この外部組織による研究代行という仕組みこそが、今回の買収が「創薬に向けた新たな手法」として注目される理由です。新薬の研究開発には、ご存知の通り、莫大な資金と長い年月が必要となります。製薬会社一社がその全てのリスクとリソースを負い、多数のプロジェクトを同時に進めることには限界があるからです。

専門的な知見を持つ社外の組織、すなわちピオニエのようなスタートアップに特定の研究を委ねることで、製薬会社は自社のリソースを最適化できます。この外部委託の枠組みは、より迅速かつ効率的に有望な医薬品候補を見つけ出し、開発を進めることにつながるでしょう。私は、このようなオープンイノベーションの形こそが、今後の日本の製薬産業が世界で競争力を維持・向上させるための鍵になると強く信じています。

ピオニエは2015年9月に発足しました。大商が旗振り役となり、製薬会社のOBなど、経験豊かな人材を招き入れた点も見逃せません。さらに、大阪バイオファンドなどから合計4億円の出資を集め、人的資源と資金という両面で強固な基盤を築きました。その結果、次世代の鎮痛薬につながる可能性を秘めた「リード化合物」の創製に成功しました。リード化合物とは、薬の種となる、特定の効果を持つ最も基礎的な化合物のことです。これを突き止めることが創薬の第一歩であり、最も困難な工程の一つとされています。

買収額は公表されていませんが、数億円規模と推測されており、今回の取引では出資したファンドや大商に損失は生じなかった模様です。この結果は、公的機関が関与した創薬支援プロジェクトが、単なる支援に終わらず、しっかりと経済的な成果を生み出したことを示しています。大商はこの一連の取り組みで得られたノウハウや資金を、今後の創薬支援事業へと活かしていく方針です。

このニュースに対し、SNSでは「企業のカーブアウトとベンチャー設立による創薬モデルは理にかなっている」「大商の目利き力と塩野義の決断力がすごい」「日本のアカデミア発の技術をうまく活用する流れがもっと広がるべきだ」といった肯定的な反響が多く見受けられました。研究を外部に託すことで、リスクを分散しつつ、成功の可能性が高い新薬候補に集中的に投資できるこのモデルは、日本の創薬エコシステムを活性化する一つの成功事例として、今後、広く模倣され、波及効果を生むことが期待されます。

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