【節電・熱中症対策に】進化が止まらない!長寿家電「扇風機」の魅力と歴史を徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

2019年5月に入ってから、まるで真夏のような日差しが続き、運動会では熱中症になってしまうお子様が続出する事態となりました。本格的に部屋全体を冷やすエアコンの使用には少し早いと感じるものの、「扇風機なら」と、早速使い始めたご家庭も多いのではないでしょうか。特にご高齢の方々にとっても、扇風機は欠かせない夏の必需品となっています。一時期はエアコンの爆発的な普及によって販売台数が減少しましたが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素などの温室効果ガス削減への意識の高まりや、東日本大震災後の節電意識の高まりを背景に、再びその存在感を示すようになり、今なお使われ続けている息の長い家電製品といえるでしょう。

日本の扇風機の歴史は古く、さかのぼること1885年(明治18年)には、「うちわ」を4枚軸に差し込み、手回しで涼を得る「納涼団扇(うちわ)車」という装置が特許を取得しています。これが、今日の扇風機の原形だと考えられているのです。その後、電動機、つまりモーターを使った国産初の扇風機は、それから9年後の1894年(明治27年)に、芝浦製作所(現在の東芝)によって開発されました。この初期のモデルは、直流のエジソン式電動機を搭載し、細幅の6枚羽根を回転させて風を送る仕組みだったと伝えられています。

当時、国内では白熱電球の製造販売が始まったばかりで、まずは電灯を普及させることが最優先されていました。そのため、電灯の設置がなければ電動機の使用も認められないような状況だったようです。そのような時代に、スイッチを入れると白熱電球が点灯し、さらには涼しい風まで送ってくれる電気製品の登場は、人々にとってまさに驚きでしかなかったといいます。このように、扇風機は日本で最も初期に開発された家庭用電化製品の一つであり、日本の電気事業の幕開けを象徴する存在でもあったのです。

開発当初、扇風機は非常に高価だったため、多くの方がレンタル制度を利用していましたが、大正時代に入ると量産体制が確立されました。これにより品質が向上し、徐々に低価格化が進んでいきます。同時期に発売されたアイロンなどがまだ贅沢品として扱われていたのに対し、高温多湿な日本の気候や、人口が集中した都市部の過密な住宅事情から、サラリーマンなどの新中間層と呼ばれる家庭を中心に愛用されていきました。その後、関東大震災や第二次世界大戦といった困難な時代を経て、扇風機の普及率が本格的に拡大するのは1960年代のことになります。街中では、うなぎ屋の店先で客寄せのために使われるなど、扇風機は長きにわたり日本人の暮らしを支えてきたのです。

さて、現代社会では、職場の節電対策という新たなニーズが生まれています。私の知人の職場では、2011年(平成23年)以降、電力消費を抑えるために室温を28℃に設定しているとのことです。この温度設定に対して、男性の半分ほどが「暑くて仕事の効率が上がらない」と不満を感じ、扇風機を併用したいと考えているようです。しかし、集団で使う扇風機は「風が当たりすぎるのは迷惑だ」と感じる人もいるため、利用には配慮が必要となります。ここで活躍しているのが「卓上ミニ扇風機」です。これは、自分自身の顔や首回りにだけ涼風を送ることができる優れものといえるでしょう。

こうしたパーソナル扇風機、つまり個人用の扇風機は、単なる機能性だけでなく、デザイン性も大きく進化し、商品ラインナップが非常に豊富になりました。バッテリー駆動や充電式のものが主流となり、首掛け式や手持ち式、クリップで固定できるタイプなど、携帯性に優れたモデルが多数登場しています。これらは、外出時の熱中症予防はもちろん、暑い台所での調理時など、さまざまな場面で非常に役立っているのです。特に、SNSでは「ハンディファンが手放せない」「夏の必需品すぎる」といった反響が多く見られ、その人気が伺えます。昨今、パーソナル扇風機は販売台数を急激に伸ばしている状況です。

かつては部屋全体を涼しくする「集団の快適さ」を追求していた扇風機ですが、今や一人ひとりに寄り添う「個人の快適さ」までをも実現しています。このような、あらゆるニーズにきめ細かく対応できる柔軟性こそが、扇風機が「長寿家電」として人々に愛され続けている最大の理由なのではないでしょうか。その歴史と進化を知ると、扇風機はただ涼しい風を送るだけの機械ではなく、日本の生活文化と時代背景を映し出す鏡のような存在だと、改めて感じられることでしょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*