2019年6月、世界中のエネルギー供給を支える重要な水路、ホルムズ海峡を巡る緊張がかつてないほど高まっています。この海峡は、中東の主要な産油国であるイラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などが面するペルシャ湾とオマーン湾をつなぐ、まさに大動脈と呼ぶべき場所です。原油と石油製品を合わせると、なんと1日におよそ1700万バレルもの膨大な量がここを行き交っており、これは世界の海運される石油の約3分の1に相当すると言われています。この事実だけでも、海峡の安全性がどれほど世界経済にとって重要かお分かりいただけるでしょう。
しかし、ホルムズ海峡の航路は簡単ではありません。タンカーはS字型に曲がりくねったルートを航行するため、船員は何度も慎重に舵(かじ)を切る必要があり、非常に航行の難所として知られています。さらに、1日平均で約14隻もの船が通過する混雑海域でもありますから、事故や意図的な攻撃が発生しやすい地理的な特徴も持っているのです。
緊迫する中東情勢と過去の脅威
ホルムズ海峡は、地理的にイランやサウジアラビアなど、中東の大国に近接しているため、歴史的にもたびたび攻撃の脅威にさらされてきました。例えば、2010年7月には、日本の商船三井が運航するタンカーが爆発に見舞われ、その後にアルカイダ系の武装組織が犯行声明を出しています。この出来事は、この海域の安全が、単なる国の問題に留まらないことを示しています。
そして最近の出来事としては、トランプ米政権が2019年5月2日にイラン産原油の全面禁輸という強硬策を発動しました。これに対し、イランの革命防衛隊は、同年4月にはホルムズ海峡の封鎖を警告するなど、両国の緊張は極限に達しています。さらに、中東情勢を巡っては、2019年5月12日にUAE沖でサウジアラビアの石油タンカーなどが攻撃を受け、さらに14日にはイラン支援の武装組織がサウジの石油施設を攻撃しました。これを受け、米国は2019年5月24日に中東地域への米兵追加派遣を発表し、情勢は一触即発の状態です。極めつけは、つい最近の2019年6月13日に、日本の海運会社・国華産業が運航するタンカーなど2隻が攻撃を受けるという衝撃的な事件が発生しています。
日本への深刻な影響と私の見解
仮にこの海峡が何らかの理由で封鎖されてしまうと、その影響は世界のエネルギー市場全体に深刻な混乱をもたらすでしょう。特に、日本のエネルギー政策にとって、この海域の安全な航行は極めて重要な意味を持っています。なぜなら、日本が輸入する原油の実に8〜9割は中東地域に依存しており、そのほとんどがこのホルムズ海峡を経由して日本へ運ばれているからです。これは、ホルムズ海峡が、日本の産業や国民生活を支える**「生命線」に他ならないことを意味しています。
こうした事態を受け、SNS上でも「#ホルムズ海峡」「#原油価格」といったハッシュタグがトレンド入りし、「このままじゃガソリン代が高騰する」「日本のタンカーが狙われるなんて怖い」といった不安の声や、「外交で平和的な解決を」と事態の沈静化を求める意見が多く見受けられます。世界がこの事態をいかに重大に受け止めているかが分かりますね。
編集者としての私の意見ですが、ホルムズ海峡のようなチョークポイント**(海上交通の要衝)の安全保障は、もはや一国だけの問題ではなく、国際社会全体で取り組むべき喫緊の課題だと考えます。軍事的な緊張を高めるのではなく、国際的な枠組みを通じた対話と協調こそが、この地域の安定と、ひいては世界のエネルギー供給の安定につながる唯一の道でしょう。特に、エネルギーの多くをこの海峡に依存する日本は、粘り強い外交努力を通じて、地域の安定化に貢献していくことが求められています。