🔥参院選直後がヤマ場!「日米貿易交渉」の行方と自動車関税の攻防【2019年6月最新】

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2019年6月13日(日本時間14日)、ワシントンで日米閣僚級貿易交渉が開催されました。この協議は、茂木敏充経済財政・再生担当大臣とロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との間で、3カ月連続で実施されている重要な話し合いです。会見の場で茂木大臣は、「参院選が終わった後に、できるだけ早く交渉の成果を出したいという点で両国が意見を一致させた」と発言しました。この発言から、参議院選挙後の夏が、交渉の大きな節目となる見通しであることが明確になったといえるでしょう。

交渉の背景には、ドナルド・トランプ米大統領の強い意向があります。トランプ大統領は、2020年2月から始まる大統領選挙の予備選に間に合うよう、日米間の協定を早期に発効させ、その成果をアメリカ国内の有権者に向けて示したい考えです。このため、交渉合意の後に、日本側は今年の秋の臨時国会に協定案を提出し、承認を得ることを目指さなければなりません。早期の発効を目指すとなると、9,000を超えるすべての関税(税金のようなもので、貿易される品目にかかる壁のようなもの)の扱いを年内に決定する必要が出てきます。極めて短期間での、非常にタフな交渉が求められている状況です。

具体的な交渉の中身を見てみると、アメリカ側は日本に対し、農産品にかかる関税の引き下げを強く求めています。これに対し、日本側は、日本の農産品の関税を下げるのであれば、アメリカも工業品にかかる関税を引き下げるべきだという、「農産品と工業品の関税下げはセットだ」という主張を崩していません。日本が目指す国会承認案の基本的な枠組みとしては、(1)**環太平洋経済連携協定(TPP)**で定めた水準を上限として農産品の関税を引き下げること、(2)アメリカも工業品の関税を引き下げること、の二点が核となります。

また、今後のスケジュールとしては、来週に工業品、再来週には農産品に関する事務レベルの協議が予定されています。そして、2019年6月28日、29日に大阪で開催されるG20サミット(主要20カ国・地域首脳会議)出席のためトランプ大統領が来日し、安倍晋三首相との首脳会談で、この貿易交渉についても意見が交わされる見込みです。このG20での会談が、その後の交渉の方向性を決める重要な要素となる可能性は非常に高いでしょう。

みずほ総合研究所の菅原淳一主席研究員は、この早期合意の可能性について興味深い見解を示しています。もし、日米が9,000を超える関税項目を一からすべて交渉し直すのであれば、参院選後の早期に成果を出すのは極めて困難です。しかし、日米間にはすでにTPPという土台が存在しています。菅原氏は、TPPで合意された内容の多くを新しい協定に移管することで、早期合意が可能になるだろうと指摘しています。

トランプ大統領はTPPに強い拒否反応を示してきましたが、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新しい貿易協定であるUSMCA(アメリカ・メキシコ・カナダ協定)も、その実態はTPPをベースに、為替条項(通貨の価値に関するルール)などが追加された形です。この前例からも、TPPを土台とするアプローチが現実味を帯びてきます。菅原氏は、安倍首相が9月の国連総会に合わせて訪米する際のトランプ大統領との会談で、大筋合意に至るというのが、最も有力なシナリオではないかと分析しています。

🚗最大の難関:自動車分野の攻防

しかし、この交渉には、非常に大きな変数(結果を左右する不安定な要素)も存在しています。それが、自動車分野です。日本側が求める、自動車や自動車部品にかかる関税の撤廃について、今のところアメリカからの回答は「ゼロ」、つまり全く応じる姿勢が見えていません。これは日本の基幹産業であり、絶対に譲れない部分でしょう。さらに、アメリカが日本から輸入される車に対して、追加の関税を課したり、数量の規制を行ったりする可能性についても、アメリカ側の明確な出方は見えておらず、この自動車分野が、全体の交渉の成否を握る最大の難関となるでしょう。

SNS上でもこの日米交渉に対する関心は非常に高く、「農産品と工業品はセット」という日本の主張に対しては、「日本の原則をしっかり守ってほしい」「自動車が最大の焦点だ」といった声が多く見受けられます。また、早期合意を目指す背景にトランプ大統領の大統領選があることから、「アメリカ側の事情に振り回されているのではないか」と、懸念を示す意見も少なくありません。G20サミット、そしてその後の参院選といった大きな政治日程を控え、この日米貿易交渉の行方から、今後も目が離せないでしょう。

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