「バーベイタム」は台湾へ!三菱ケミカルが記録メディア事業を売却し高機能分野に注力

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2019年6月14日、化学大手である三菱ケミカルホールディングス(HD)の傘下企業、三菱ケミカル株式会社は、長年世界中で親しまれてきた記録メディア事業から撤退することを発表いたしました。具体的には、光ディスクなどの記憶媒体を扱う同事業を、台湾のCMCマグネティクス社へ売却する運びとなったのです。

売却される事業には、CDやDVD、そしてデータの保存に使われるブルーレイディスクといった「光ディスク」を中心に、世界的に知られるブランド「Verbatim(バーベイタム)」が含まれております。この売却は、約35億円で成立する見通しだということです。デジタルデータ保存の歴史において重要な役割を果たしてきたブランドが、今、その運営元を変えるという事態に、SNS上では「時代の流れを感じる」「寂しい」といった声が多く寄せられていました。

三菱ケミカルがこの事業を譲渡する背景には、同社の経営戦略の明確化があります。記録メディアという分野は、かつて隆盛を極めましたが、現在はクラウドサービスやUSBメモリなど、別の記憶媒体が主流となりつつあります。こうした市場環境の変化に対応し、同社は今後、「高機能樹脂」や「高機能フィルム」といった、より高い技術力と付加価値を持つ「重点事業」へ、経営資源を集中させる方針を示しています。

「高機能樹脂」とは、耐熱性や強度、軽さなど、一般的なプラスチックよりも優れた特性を持つ特殊な化学製品のことです。また、「高機能フィルム」も同様に、高い透明性やバリア性(酸素や水蒸気を通しにくい性質)などを持ち、スマートフォンや自動車部品など、成長が見込まれる分野で不可欠な素材となっています。企業が持続的に成長していくためには、将来性のある分野を見極め、そこに注力する「選択と集中」が非常に重要であると言えるでしょう。

長きにわたりデータを守る役割を担ってきた「バーベイタム」ブランドが、今後、新体制のもとでどのような展開を見せるのか注目されます。三菱ケミカルが、この事業譲渡によって得たリソースを駆使し、重点事業において新たなイノベーションを生み出してくれることを期待したいところです。

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