株式会社エイチームは、2019年7月期の連結純利益が前期と比較して55%の大幅な減少となる15億円に着地する見通しを2019年6月14日に発表いたしました。これは、これまで公表されていた21%減の26億円という予想から、さらに減益幅が拡大する下方修正となります。この厳しい業績見通しの背景には、主力事業であるスマートフォンゲームの開発コストの増大と、それに伴う投資有価証券の評価損計上が大きく影響しているようです。
特に、2018年5月にリリースされたゲームアプリ「三国BASSA!!」の開発費が当初の想定を超えて膨らんでしまったことが、業績を圧迫する一因となっています。近年のモバイルゲーム業界では、ユーザーから求められるグラフィックの精緻さやスムーズな操作性など、作品の品質に対する要求水準が非常に高まっており、その結果として、開発に要する費用、すなわち「開発費」が上昇する傾向にあるため、同社もその波に飲まれたと言えるでしょう。
この業績の下方修正を受けて、同社は期末の年間配当の予想を、従来の前期実績と同額であった32.5円から16円へと大幅に引き下げる方針を明らかにしております。投資家の皆様にとっては厳しいニュースとなり、今後の株価の動向に注目が集まること必至です。また、売上高についても、当初予測の400億円から2%減の370億円へと一転して減収となる見込みであり、営業利益も従来予想の40億円から4割減の28億円に引き下げられるなど、全体的に厳しい結果となりそうです。
ゲーム事業だけじゃない!「cyma(サイマ)」の物流費高騰も収益を圧迫
ゲーム事業以外にも、収益を圧迫する要因が見られます。同社が運営している自転車通販サイト「cyma(サイマ)」では、これまで送料無料といったユーザーにとって魅力的なサービスを提供することで事業を拡大してまいりました。しかしながら、近年深刻化している「人手不足」の影響が、物流業界の「配送費」上昇という形で重くのしかかっています。商品の配送にかかるコストが増大することは、特に「送料無料」を強みとするビジネスモデルにおいては、収益を圧迫する大きな荷物となってしまうのです。
さらに「cyma」では、自社で整備工場を保有し、自転車の組み立てやメンテナンスを行っていることも、人件費などの経費を増やす一因となっているものと考えられます。高品質なサービスを提供するためのコストが、そのまま収益の重荷となっている状況は、今後の事業戦略の見直しが急務であると言えるでしょう。ユーザーの皆様からは、品質の高いサービスに対する期待は大きい一方で、企業経営においてはコストとのバランスをいかに取るかが大きな課題です。
この度のエイチームの業績下方修正の発表を受け、SNS上では「三国BASSA!!は期待していたが、開発費が回収できるか心配だ」「cymaの送料無料は助かるけど、人手不足の時代では仕方ないのかな」といった、同社のサービスと経営状況を心配する声が多く見受けられます。また、「優良企業のイメージがあっただけに残念」「配当金の大幅減は痛い」など、ネガティブな反響も広がっている状況です。市場の期待が高かっただけに、今回の下方修正は大きなインパクトを与えていると言えるでしょう。