2019年春、フレッシュな気持ちで新社会人となられた皆様、おめでとうございます。社会人生活のスタートに際して、お金に関する賢い選択として「資格取得」に注目してみるのはいかがでしょうか。なぜなら、会社によっては特定の資格を取得した社員に対し、手当を支給する制度を設けている場合があるからです。
これらの手当は、資格取得後に毎月継続して支給されるケースもあれば、一時金として支給されたり、受験料に相当する金額が補填されたりする場合があります。自分の出費を抑えながら資格を取得し、それが直接的に収入アップにつながるというのは、非常に明確な金銭的なメリットと言えるでしょう。特に新社会人の方々にとっては、自己投資をしながら家計にゆとりを生む、まさに一石二鳥の戦略となります。
会社が従業員にどのようなスキルや知識を求めているのか、外から雰囲気だけで見極めるのは難しいものです。しかし、会社側が「推奨」している資格であれば、その資格が業務に関連している、あるいは将来的に重要視される可能性が高いと判断できます。これにより、資格取得が比較的スピーディーに社内での高評価につながり、キャリア形成と将来的な収入増加に役立つ公算が大きいでしょう。
筆者の過去の経験を振り返りますと、情報システム会社に勤務していた際には、情報処理系の専門資格に加えて、カラーコーディネーターや知的財産検定(現在は「知的財産管理技能検定」として実施)といった、一見すると本業と遠そうに見える資格も推奨されていました。例えばカラーコーディネーターは、ウェブ画面のユーザビリティを高める設計に役立つという理由で推奨リストに加わっていたようです。こうした「会社推奨資格の一覧表」を眺めることで、自分一人では思いつかなかった、魅力的な資格との出会いがあるものです。
また、不動産会社での勤務経験では、宅地建物取引士の資格が強く推奨されていました。これは、不動産業を営むにあたり、法令(法律や規則)で「宅建士」という資格保有者を一定数配置することが義務付けられているからです。このように、法律で配置が定められている資格は、企業にとって不可欠な人材要件であるため、毎月の給与に資格手当として反映される可能性も非常に高いと言えるでしょう。
ただし、これらの資格試験に1回で合格できなかった場合、受験費用などを自己負担しなければならないケースもあります。しかし、ご心配は要りません。資格取得を通して得られる知識やスキル、経験は、一度身につけばその後も持続的に効果を発揮し続けるため、その場で消費されて終わる支出にはなりにくいのです。一時的に多少の持ち出しが発生したとしても、短期的な効果で終わるものにお金を使うよりも、長期にわたり繰り返し効果が得られる自己投資こそが、経済的に最も有用でコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。
この話題が日経スタイル「マネー研究所」で取り上げられた際、SNS上でも大きな反響がありました。「会社がお金を出してくれるならぜひチャレンジしたい」「推奨資格のリストを早く確認してみようと思う」といった、前向きな意見が多く見受けられました。特に、新社会人としてのスタートダッシュを切りたいという意欲的な姿勢が感じられます。自己成長を求める多くの人々にとって、「収入増」と「評価アップ」というメリットが分かりやすく提示された点は、強い動機付けとなったようです。
最後に、少しばかりの処世術をご紹介いたします。それは、資格取得に向けた勉強を公言していると、人付き合いにおいて不要な誘いを断りやすくなるという利点です。「資格の勉強があるから」という理由で断ることで、角が立ちにくいのです。これにより、気が進まない交際費を削減し、浮いたお金を将来のための自己投資に回すという、さらなる経済的な効果も期待できます。ファイナンシャルプランナーである筆者は、特に若い世代の皆様には、この機会を活かして、戦略的に資格取得に挑戦することをおすすめいたします。