日本のバレエ界を牽引し続けてきた東京バレエ団が、創立55周年という記念すべき節目に、いよいよヨーロッパへと飛び立ちます。2019年6月19日から始まる今回の欧州ツアーは、実に30年ぶりとなるウィーン国立歌劇場での公演を含め、オペラ界の最高峰として名高いミラノ・スカラ座など、3カ国5都市にわたる名門歌劇場や国際的なフェスティバルで華麗な舞いを披露する予定です。このニュースは、日本の文化芸術が世界に再評価される絶好の機会であり、バレエファンならずとも胸が高鳴る一大イベントだと言えるでしょう。
今回のツアーで上演される演目は、東京バレエ団のアイデンティティとも言える代表的なレパートリーが選ばれています。中でも注目を集めるのは、世界的振付家の巨匠モーリス・ベジャールが、日本の古典である歌舞伎の**『仮名手本忠臣蔵』を題材に、同団のために創作したオリジナル作品『ザ・カブキ』**です。1986年の初演以来、海外ツアーでもたびたび上演されてきたこの傑作は、日本的な題材を、バレエという西洋の芸術形式で見事に昇華させた革新的な作品と言えるでしょう。
音楽は、戦後の日本を代表する作曲家の一人である黛敏郎(まゆずみ としろう)氏が手がけており、その独創的な響きが舞台を彩ります。ダンサーたちは、着物をモチーフにした衣装をまとい、日本の日舞(日本舞踊)の所作(しょさ:身のこなしや動作)なども巧みに取り入れながら踊るのです。斎藤友佳理芸術監督は、「『ザ・カブキ』は海外で上演するたびに熱狂的な歓迎を受けてきました。特に、物語の中でイノシシが登場するユーモラスな場面では客席から歓声が上がり、クライマックスの討ち入りでは、観客が息をのむのが伝わってくるほどです」と、その手ごたえについて自信を見せています。
このような日本発のバレエ作品が、ヨーロッパの由緒ある舞台で喝采を浴びる背景には、過去20〜30年で国際的なコンクールや海外の有名バレエ団で活躍する日本人ダンサーが飛躍的に増加したという事実があります。斎藤芸術監督は、「かつては、ウィーンのような場所で日本人が踊るということに対して、残念ながら一部に偏見のようなものがあった時代もありました。しかし、今の状況は大きく異なっています」と語っています。これは、日本人ダンサーが、国境を越えてその技術と表現力で正当に評価される時代が到来したことを意味しており、日本のバレエ界全体にとって大きな喜びであると私は考えます。
この歴史的な欧州ツアーの報道は、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。多くのファンが「30年ぶりなんてすごい快挙だ!」「日本人ダンサーが世界で認められて誇らしい」「『ザ・カブキ』の海外での反応が楽しみすぎる」といった期待の声を上げています。特に「ザ・カブキ」という演目が、日本の伝統文化と西洋のバレエを見事に融合させている点について、「こんなにも海外で評価されているなんて知らなかった」と驚きを示す意見も多く見られました。この熱狂的な支持は、東京バレエ団のこれまでの功績と、今回のツアーへの期待の大きさを物語っていると言えるでしょう。
斎藤芸術監督は、今回の欧州ツアーを通過点とし、さらに「今後は北米などでの公演も増やし、東京バレエ団の名前が世界中で通用するブランドになるようにしたい」という力強い目標を掲げています。創立55周年という記念イヤーでは、この欧州ツアーに加えて、2019年10月には勅使川原三郎氏が振り付けを手掛ける新作、そして2019年12月には新制作の**『くるみ割り人形』**の上演も予定されており、日本のバレエの未来を切り拓く意気込みが感じられます。これらの公演を通じ、東京バレエ団が世界のバレエ界にどのような新風を巻き起こすのか、これからもその活動から目が離せません。