2019年6月、痛ましい児童虐待事件が相次ぎ、日本社会に大きな衝撃を与えました。特に、札幌市中央区で池田詩梨(ことり)ちゃん(2歳)が衰弱死するという悲劇は、児童相談所(児相)の対応のあり方を改めて問うものとなったでしょう。こうした状況を受け、厚生労働省は6月14日までに、全国の児相に対し、同月1日時点で継続的に支援しているすべての子どもたちの安全調査を再度実施するよう強く指示しました。これは、児相が関わりを持つ家庭の子どもが安全な状況にあるかを、直接面会などを通じて確認するための重要な取り組みです。
この安全調査は、2019年2月にも、千葉県野田市で小学4年生の女児が亡くなった事件を受けて実施されたばかりであり、今回が2度目の指示となります。当時の調査では、延べ約200人の子どもが緊急で保護されるなど、その効果と必要性が示されています。厚労省は、今回の調査結果を同年9月までに報告するよう求めており、虐待の芽を早期に摘み取るための強い意志が感じられます。根本匠厚生労働大臣は、同日に開かれた全国の児相所長を集めた緊急会議で、「児相は子どもの命を守る**『最後の砦』**という使命感を職員一人ひとりが胸に刻んでほしい」と訴え、職責の重さを強調しています。
一連の事件の背景には、児相と警察の連携不足が指摘されています。特に札幌市の事件では、警察が母子に面会に行こうとした際、児相が同行を断っていた事実が明らかになりました。このような事態を重く見た厚労省は、この緊急会議において、警察との連携を一層強化するよう要請いたしました。具体的には、警察からの同行要請があった場合には、「積極的に対応してほしい」と強く呼びかけており、子どもの安全確保のためには、関係機関が壁を作らず、一丸となって取り組む姿勢が不可欠であると言えるでしょう。
SNSでの反響と、子どもの命を守るために必要なこと
この厚労省の再指示と警察との連携強化のニュースは、SNSでも大きな反響を呼んでいます。多くの国民からは、「児相はもっと積極的に動くべきだ」「職員の負担は大変だろうが、子どもの命が最優先」といった厳しい意見とともに、「連携の重要性を再認識してほしい」という声が多数上がっていました。中には、「安全調査の報告期限を9月までと設定するのは、スピード感があって評価できる」といった意見も見受けられ、社会全体が児童虐待問題に対する意識を高めていることがうかがえます。児童相談所とは、18歳未満の子どもに関する様々な相談に応じ、問題解決に必要な援助や指導を行う専門機関であり、その役割は計り知れないほど重要です。
私自身の考えですが、子どもたちの健やかな成長と安全な生活を守るためには、児相や警察だけでなく、学校や地域社会、そして私たち一人ひとりが、虐待のサインを見逃さない**「目」と、ためらわずに通報する「勇気」**を持つことが極めて重要です。安全調査や連携強化といった国の施策はもちろん大切ですが、それらが実効性を持つためには、現場の職員が使命感を持って職務を遂行できるような、人員の増加や研修の充実といった支援策も同時に進める必要があるでしょう。子どもの命に「もしも」があってはならないのですから、全関係機関の意識改革と、迅速で確実な行動が今こそ求められているのではないでしょうか。