【千葉経済の底力】2019年5月、倒産件数が大幅減!資金繰り支援が奏功も潜む「事業承継」の難題とは?

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2019年6月15日に発表された東京商工リサーチ千葉支店の調査結果によりますと、千葉県内の2019年5月の倒産件数(負債総額1千万円以上)は、前年同月と比べて実に14件も減少した21件となり、企業の淘汰が少ない極めて低い水準で推移していることが明らかになりました。負債総額についても、前年同月比で62%減の19億1300万円に留まっており、企業の財務状況に大きな改善が見られます。特に、負債総額が10億円を超えるような大型倒産(大型倒産とは、一般的に負債総額が大きい企業の倒産を指し、地域経済への影響が特に大きいものです)は、これで11カ月連続で発生しておらず、千葉県経済の底堅さを強く示すデータと言えるでしょう。

このデータから見て取れるのは、金融機関などによる中小企業への手厚い資金繰り支援や緩和策が、引き続きその効果を発揮しているという事実でしょう。私個人の意見として、政府や金融機関が一丸となって地域経済を下支えする姿勢は非常に評価できますし、この支援が多くの雇用と技術を守っていると考えます。しかし、倒産件数の内訳を詳しく見ていくと、安心ばかりはしていられない状況も浮かび上がってまいります。産業別では、建設業とサービス業がそれぞれ7件で最多となっており、また従業員数別では、5人未満の零細企業(従業員が少ない小規模な企業のこと)が16件と圧倒的に多く、10人未満と合わせると全体の9割を占める状況なのです。これは、体力のない小規模事業者が、依然として厳しい経営環境に置かれている証拠と言えるでしょう。

倒産の主因は「業績不振」?SNSでの反応は?

倒産の原因を見てみると、「業績不振」(売上が伸び悩み、利益が出せないこと)が14件で最も多く、次いで「過小資本」(資本金が不足している状態)や「既往のシワ寄せ」(過去からの赤字が累積していること)がそれぞれ2件ずつで続きました。つまり、資金繰り支援によって倒産自体は食い止められているものの、本業での収益力が低下している企業が多いということが推察できます。SNS上でもこの報道に対しては、「景気が良いと言われても、中小零細には実感がわかない」「なんとか持ちこたえている会社が多いだけでは?」といった、現状に対する懸念の声が多数見受けられました。多くの方が、この統計の裏にある、現場の苦労を感じ取っている様子です。

この2019年5月の単月倒産件数は、1989年以降で比較すると4番目に少ないという歴史的な低水準です。これは前述の資金緩和支援が大きく功を奏していると分析されています。しかし、東京商工リサーチ千葉支店は、楽観視はできないという慎重な見方も示しています。特に、経営者の高齢化に伴う事業承継(企業の経営を後継者に引き継ぐこと)の問題解決策が見当たらない企業に対しては、市場からの退場圧力(競争原理によって市場から撤退せざるを得なくなること)が増す可能性があるため、今後は倒産件数が緩やかながらも増加傾向をたどる可能性があると懸念しているのです。

資金繰りの支援は非常に重要ですが、企業の存続には、新しい経営者による活路を見出すことや、時代の変化に対応できる収益力の回復こそが不可欠です。この「事業承継」の問題こそ、今後、千葉県経済が乗り越えるべき最大の課題の一つであると、私は強く感じています。引き続き、中小零細企業の経営体質強化に向けた、より踏み込んだ支援策が求められるでしょう。

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