2019年6月16日付の日本経済新聞電子版で「読まれた記事ランキング」として発表されたトップ10は、日本のエネルギー政策、高齢者の交通安全、そしてM&A戦略という、まさに今、世間の関心を集めているテーマが並びました。まず第1位に輝いたのは、「太陽光発電の買い取り終了へ 入札制度で価格競争促す」という、2019年6月12日に報じられた記事です。これは、再生可能エネルギーの普及を支えてきたFIT(フィット、Feed-in Tariff)、すなわち「固定価格買い取り制度」が、特に住宅用太陽光発電において順次終了に向かっているという内容で、電気料金に上乗せされる国民負担の軽減を目指し、今後は入札制度を導入することで、発電事業者が電力会社に売る際の価格競争を促すのが狙いでしょう。この制度の見直しは、導入当初から議論の的でしたが、いよいよ大きな転換期を迎え、SNS上でも「これからの再エネ投資はどうなるのか?」「電気代が安くなるのは歓迎だ」といった賛否両論の意見が飛び交っています。
次いで第2位は、2019年6月10日に掲載された「高齢者専用の運転免許創設 安全機能付き車に限定」という記事で、社会の高齢化が進行する中で、高齢ドライバーによる痛ましい交通事故が多発している現状に対する、非常に重要な対策案として注目を集めました。具体的には、**サポカー(セーフティ・サポートカー)**と呼ばれる、自動ブレーキなどの先進安全技術が搭載された自動車のみに限定して運転を許可する新たな免許区分を設けるという構想です。この報道は、運転を続けたい高齢者の気持ちと、社会全体の安全確保の必要性を両立させるための試みとして、多くの読者に支持されたと推察できます。安全機能が付いた車に限定することで、事故の軽減に繋がることを期待したいものです。
そして、第3位には、ビジネス界のカリスマ経営者が率いる企業に関する、2019年6月10日の記事「M&A63戦無敗、日本電産の掟 毒まんじゅう食うな」がランクインしました。これは、創業者であり社長の永守重信氏が率いる日本電産が、数多くのM&Aを成功させてきた秘訣に迫るものです。M&AとはMergers and Acquisitionsの略で「企業の合併・買収」を意味する経済用語ですが、日本電産は買収後の企業再生能力に極めて定評があり、その勝率の高さは驚異的だと言えるでしょう。記事で紹介されている「毒まんじゅう食うな」という掟は、買収する企業の負債や不透明な経営状態を避けるという、永守流の厳格な選定基準を示唆しており、この哲学が成功の鍵を握っていると考えられます。ビジネスパーソンの間では「成功体験に学ぶべき」「経営者の覚悟がすごい」と、大きな反響を呼んでいることが想像できます。
👀ランキングに見る、日経電子版読者の関心と日本経済の動向
ランキングの4位から10位にも、現代の日本経済を映し出す、見逃せないテーマが並んでいます。第4位は「ふるさと納税『集めるのは悪いことか』」(2019年6月11日)というルポ記事で、地方自治体間の過度な返礼品競争が問題視され、制度が見直されつつある中で、改めてその是非を問う内容でした。この制度は、本来の地方創生の目的から逸脱しているという批判もあれば、地方に経済効果をもたらしているという擁護論もあり、読者の関心の高さが伺えます。
また、国際経済の動向としては、第5位に「中国、重要技術の輸出制限検討 人民日報など報道」(2019年6月9日)が、そして第6位には「ルノー、総会で日産経営改革案への投票棄権も」(2019年6月10日)という、日産とルノーの資本関係の複雑さを物語る記事が入り、米中貿易摩擦や、日産自動車の経営体制といった、グローバルな問題にも注目が集まっている様子が分かります。
国内の産業政策では、第7位の「携帯違約金、上限1000円 『2年縛り』大幅下げ」(2019年6月7日)が、多くの消費者に影響を与えるニュースとして上位に入っています。これは、長年の問題であった携帯電話の契約期間に縛りを設ける「2年縛り」における、高額な違約金の上限を大幅に引き下げようとする国の動きを報じるもので、消費者の選択肢を増やし、業界の競争を促す効果が期待されています。
その他にも、第8位に「野村や大和ではできなかった仕事」(2019年6月7日)、第9位に「衆参同日選見送り強まる 消費増税予定通り」(2019年6月9日)、そして第10位に「マツダ初代の波乱人生 『一夜工場』で大もうけ」(2019年6月11日)といった、ビジネスパーソンのキャリア論、政治の動き、企業の歴史秘話など、幅広いジャンルの記事が読まれており、日経電子版の読者が多様な情報に高い関心を抱いていることが確認できるでしょう。総じて、今回のランキングは、エネルギー、交通安全、企業経営といった、私たちの生活と経済の根幹に関わるテーマへの世間の関心が非常に高いことを示しています。これらの動向は、今後の日本社会のあり方を考える上で、極めて重要だと言えるのではないでしょうか。