名古屋・栄の街角に、懐かしくも新しい光景が戻ってきました。名古屋三越は2019年09月20日、店舗の象徴として長年親しまれてきた「ライオン像」を、正面玄関のまさに中心へと移設したのです。2006年のリニューアルを機に一度は建物の隅へと配置換えされていましたが、実に13年という歳月を経て、本来あるべき「顔」としての定位置に帰還を果たしました。
今回の復活劇で注目したいのは、その非常にお洒落な出で立ちでしょう。ライオン像は現在、ハットを被り蝶ネクタイを締めた欧米風の正装に身を包んでおり、訪れる人々を華やかに出迎えてくれます。この紳士的な姿には、SNS上でも「いつものライオンがドレスアップしていて可愛い」「三越らしさと遊び心が同居している」といった好意的な反響が数多く寄せられています。
さらに、単に場所を戻しただけではない細やかな工夫も施されました。以前よりも像の高さをあえて20センチメートルほど下げて設置しており、これは歩行者の皆さんとちょうど目が合うように計算された設計なのだそうです。威厳ある象徴でありながら、どこか親しみやすさを感じさせるこの絶妙な距離感こそ、老舗百貨店が大切にするホスピタリティの表れだと言えるでしょう。
また、このお祝いムードを盛り上げるため、2019年09月18日からは地下1階の食品売り場にて、ライオンをモチーフにした限定の菓子販売もスタートしています。視覚だけでなく味覚でもブランドのシンボルを楽しめる仕掛けは、買い物客にとって嬉しいサプライズとなりますね。店舗担当者も、この場所が栄エリアの新たな待ち合わせ場所として定着することに大きな期待を寄せています。
個人的な見解を述べさせていただきますと、デジタル化が進み街の風景が目まぐるしく変わる現代において、こうした「変わらない象徴」の復活は非常に価値が高いと感じます。単なる像の移動に留まらず、通行人と目線を合わせるという「対話」を意識したリニューアルには、地域に寄り添い続けようとする百貨店の強い意思が透けて見えます。栄の街で誰かを待つ時間が、少しだけ温かいものに変わるのではないでしょうか。