中国地方の百貨店売上、台風10号直撃で苦戦!悪天候とリニューアルが交錯する最新トレンドを分析

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2019年09月20日、中国四国百貨店協会から驚きのデータが発表されました。同年8月の中国地方における百貨店売上高は、前年と比較して3%減少の175億9100万円にとどまったのです。これで10カ月連続の前年実績割れという厳しい現実が浮き彫りになりました。SNS上では「お盆に台風が来たから買い物どころではなかった」「最近はネット通販ばかりで百貨店に足を運ぶ機会が減った」といった、消費者のリアルな生活実感が数多く投稿されています。

今回の落ち込みに決定的な影響を与えたのは、お盆の真っ只中である2019年08月15日に西日本を直撃した台風10号でした。多くの店舗が書き入れ時に臨時休業を余儀なくされ、さらに相次ぐ悪天候が外出を控えるムードを助長したようです。百貨店にとって、お盆休みは帰省客や家族連れで賑わう最大の商機の一つです。ここでの足踏みは、単なる数字以上の重みがあると言わざるを得ません。自然災害という抗えない要因が、地域経済に冷や水を浴びせた形となりました。

店舗ごとに分かれた明暗と衣料品不況の正体

一方で、すべての店舗が沈んだわけではありません。興味深いことに、広島市内の「福屋」や岡山市の「岡山高島屋」などは、前年比でプラスの数字を叩き出しています。これは前年の2018年に発生した西日本豪雨などの反動によるものと考えられますが、逆風の中でも集客に成功している点は見逃せません。対照的に、2019年09月14日の新装開業を控えて売り場を縮小していた「鳥取大丸」は、一時的な要因ながら大幅な減収となりました。このように、個別事情によって明暗がくっきりと分かれています。

ここで注目すべきは、売上の柱である「衣料品」が5%減と苦戦している点でしょう。特に婦人服の動きが鈍いのが気掛かりです。「婦人服・洋品」とは、女性向けの衣類やアクセサリー、バッグなどを指す専門的な分類です。かつては百貨店の花形でしたが、消費者の嗜好が多様化し、高価なブランド品よりも機能性やコストパフォーマンスを重視する傾向が強まっています。天候不順によって夏物の需要が早期に冷え込んだことも、在庫を抱える店舗にとっては大きな痛手となったのでしょう。

編集者の視点から見れば、現在の百貨店は単なる「モノを売る場」からの脱皮を迫られているように感じます。ネットショッピングが当たり前となった現代、わざわざ足を運んでもらうためには、その場所でしか味わえない感動や体験価値が不可欠です。台風という不運はありましたが、岡山高島屋のような好調店が見せる「底力」こそが、今後の生き残りのヒントになるはずです。リニューアル後の鳥取大丸がどのような輝きを放つのか、地域の活性化という観点からも引き続き熱い視線を送りたいと思います。

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