埼玉県の脱炭素戦略が進化!2020年度からのCO2削減目標緩和と再エネ導入の新ルールを徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

地球温暖化対策の最前線を走る埼玉県が、二酸化炭素(CO2)の排出抑制に向けた画期的な次期計画を発表しました。県は2019年09月21日、大規模な事業所を対象とした「目標設定型排出量取引制度」について、2020年度から2024年度までを期間とする第3次計画の概要を明らかにしています。この制度は、一定以上のエネルギーを使用する事業所に排出削減を義務付ける全国でも稀な先進的な取り組みです。

今回の計画では、業務ビルに対して22%、工場に対して20%という高い削減目標を掲げています。しかし、一律の基準では対応が難しい現場の声に寄り添っている点が大きな特徴です。ネット上では「環境対策は大切だが、経営への負担が心配」という意見も見られましたが、埼玉県はこうした懸念を払拭するため、中小企業や医療機関に向けた柔軟な緩和策を打ち出しました。現場の実情を汲み取ったこの判断は、非常に現実的と言えるでしょう。

中小企業と医療現場を支える「目標緩和」の仕組み

特筆すべきは、資金面や人材の確保に課題を抱える中小事業所への配慮です。これまでの基準の4分の3にまで目標値を引き下げ、業務ビルは16.5%、工場は15%の削減を目指すことになりました。また、高度な医療機器の導入により電力を大量に消費せざるを得ない医療施設についても、通常のビルより2%緩和した20%に設定されています。命を守る現場のエネルギー消費を考慮した、温かみのある政策変更だと言えます。

ここで登場する「目標設定型排出量取引制度」とは、各事業所に割り当てられた削減目標を達成できない場合に、他の事業所が余分に削減した「排出枠」を買い取ることで補填できる仕組みを指します。国内では埼玉県と東京都のみが導入している極めてユニークな制度であり、2019年06月には世界銀行が主催する国際会議でも紹介されるなど、その運用スキームは世界中から熱い視線を浴びています。

さらに今回の目玉となるのが、再生可能エネルギーの評価制度です。これまでは、太陽光や風力といったクリーンな電力を調達しても排出量の計算に反映されませんでしたが、新計画からはこれらが正式にカウントされるようになります。最新設備への更新やLED化といったハード面だけでなく、どのようなエネルギーを選ぶかというソフト面の努力が報われる時代が、いよいよ埼玉県でも幕を開けます。

私自身の見解としては、この「再エネの反映」こそが、企業の脱炭素化を加速させる鍵になると確信しています。単なる「節約」から「賢い調達」へのシフトは、地域のエネルギー自給率向上にも寄与するはずです。県は専門家の派遣や補助金による技術支援も継続しており、2019年09月現在、約600の事業所がこの大きな転換期に向き合っています。官民が手を取り合うこの挑戦を、今後も注視していきたいところです。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*