台風15号の猛威、千葉で続く停電の苦境。酪農や経済への甚大な損失と復旧への課題

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2019年09月09日に列島を襲った記録的な暴風、台風15号の爪痕は、発生から2週間が経過した2019年09月23日現在も、千葉県を中心に深刻な影を落としています。東京電力パワーグリッドの発表によれば、2019年09月22日の午後22時30分の段階で、依然として約3,000戸もの住宅で電気が通らない不自由な生活が続いている状況です。懸命な作業により、同社は2019年09月27日までの概ね全域復旧を掲げていますが、長引くインフラの途絶は市民生活だけでなく、地域の産業にも深刻なダメージを与えています。

SNS上では、連日の停電に耐え忍ぶ被災者の方々から「冷蔵庫の中身をすべて捨てた」「夜の暗闇がこれほど不安だとは思わなかった」といった悲痛な声が上がっています。また、復旧の見通しが二転三転したことに対する不満や、ボランティアによる支援を求める切実な投稿も目立っており、現場の疲弊感はピークに達していると言えるでしょう。単なるライフラインの切断に留まらず、精神的なケアを含めた包括的な支援が急務となっている現状が浮き彫りになっています。

産業界を襲う二次被害、酪農と製造業が直面する危機

今回の災害で特に大きな打撃を受けているのが、千葉県の基幹産業の一つである酪農です。停電によって、牛から搾ったばかりの「生乳(せにゅう)」、つまり殺菌などの加工を行う前の原材料としての牛乳を出荷できなくなる事態が相次ぎました。大手メーカーの雪印メグミルクでは、県内工場で製造する一部製品の供給を制限せざるを得ない状況に追い込まれています。搾乳機が動かないことによる牛の健康被害も懸念されており、一度崩れた生産サイクルを元に戻すには、相当な時間を要すると予測されます。

製造業においても、オフィス家具大手のイトーキが委託先の工場停電により、部品の調達が滞るなどの混乱が生じています。同社は他県の拠点からの代替調達を模索していますが、物流網の混乱も重なり、一部製品の出荷再開には至っていません。こうした「サプライチェーン(供給網)」、すなわち原材料の調達から消費者に届くまでの連鎖が分断されることは、企業の収益を圧迫するだけでなく、経済全体を停滞させる要因となります。現在は目に見える損壊の修復が優先されていますが、見えない機会損失は膨大です。

2019年09月20日時点での県内の農林水産業における被害額は、既に283億6,800万円に達しています。さらに、中小企業の事業所や工場の損壊だけでも300億円を超える被害が見込まれていますが、これには操業停止による「二次被害」が含まれていません。2019年09月22日夕方の調査で、住宅被害も1万1,700棟を超えたと報告されています。私は、政府や自治体がこうした表面化しにくい経済的損失に対しても、強力な金融支援や税制優遇措置を迅速に講じるべきだと強く感じています。

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