2019年09月23日、日本の働き方に大きな転換点が訪れようとしています。自民党の有志による「男性の育休『義務化』を目指す議員連盟」が、男性社員が自ら申請を行わなくても、企業側から積極的に取得を促す画期的な新制度の検討を開始しました。これは、育児・介護休業法の改正を視野に入れた動きであり、これまでの「休みたいと言い出しにくい」という空気感を根本から打破する狙いがあります。
本提言の核となるのは、企業が主体となって働きかける「プッシュ型」の取得促進です。現在の日本では、育休を取得しようとする男性に対して、上司や同僚が心ない言葉を浴びせたり、不利益な扱いをしたりする「パタニティーハラスメント(パタハラ)」が深刻な問題となっています。育児を意味するパタニティと嫌がらせを指すハラスメントを組み合わせたこの言葉は、今や無視できない社会的な壁として立ちはだかっているのです。
SNS上ではこのニュースに対し、「会社から言ってくれるなら罪悪感が減る」「ようやく時代が動き出した」といった期待の声が上がる一方で、中小企業の現場からは「代替要員の確保が難しい」という切実な不安も吐露されています。こうした人手不足に悩む現場の声に配慮しつつ、いかに実効性のある制度を構築できるかが、今後の議論の焦点となるでしょう。
数値目標達成への挑戦と法改正の重要性
政府は2020年までに男性の育休取得率を13%に引き上げるという目標を掲げていますが、現実は厳しい状況にあります。2018年度の雇用均等基本調査(速報版)によれば、取得率はわずか6.16%に留まっており、目標との間には大きな隔たりが存在します。2017年の法改正で企業の努力義務は新設されたものの、それだけでは職場の文化を変えるには不十分だったことが浮き彫りになりました。
私自身の見解としては、この「義務化」に向けた動きは、単なる子育て支援に留まらず、日本企業の硬直化した労働慣習を是正する劇薬になると考えています。誰かが抜けても仕事が回る仕組みを作ることは、結果として業務の効率化やリスク管理能力の向上に直結します。男性が当たり前に育児に参加できる社会の実現は、性別を問わず全ての社員が柔軟に働ける土壌を育むはずです。
今後は、党内に設置される新たな検討組織において、具体的な法整備の議論が加速する見通しです。松野博一元文部科学相を中心とした議論が、単なる理想論に終わることなく、現場の負担を軽減する助成措置などとセットで進むことを切に願います。誰もが育児を「特別なこと」ではなく「生活の一部」として受け入れられる未来は、もうすぐそこまで来ているのかもしれません。