2019年09月23日、法律界に新たな風が吹き始めています。第一東京弁護士会の公益活動運営委員会で委員長を務める鈴木謙氏は、大手法律事務所や企業に籍を置く「ビジネス弁護士」が、もっと柔軟に社会貢献に関われる仕組み作りの必要性を強く訴えました。時代の変化に合わせ、弁護士会そのものがアップデートされるべき時期に来ているのかもしれません。
そもそも弁護士会には、国選弁護人や市民向けの法律相談といった活動を「公益活動」として会員に義務付ける制度が存在します。もしこの義務を果たせない場合には、年間5万円の負担金を支払わなければなりません。しかし、最前線で企業法務を担う弁護士たちは、分刻みの激務やクライアントとの関係上、従来の枠組みに当てはまる活動に従事することが極めて困難という実情があります。
ここで注目されているのが「プロボノ」という概念です。これはラテン語の「公共善のために」を語源とする言葉で、専門家が自分の持つ高度なスキルを無償で提供し、社会課題の解決を支援するボランティア活動を指します。最近では大手事務所を中心に、NPO法人の運営支援などを正式な業務として認める動きが加速しており、ビジネスの知見を社会に還元する新しい潮流が生まれています。
SNS上では「高い専門性を持つ弁護士がNPOを助けてくれるのは心強い」といった期待の声が上がる一方で、「形骸化した寄付金制度よりも、実力を発揮できる場を整えるべきだ」という鋭い指摘も見受けられました。プロボノ活動が単なる義務の代わりではなく、弁護士自身のキャリアを豊かにし、社会をより良くするポジティブな選択肢として定着することが期待されています。
私個人の見解としては、法律のプロフェッショナルがその知恵を広く社会に開放することは、民主主義の質を高める重要な一歩だと確信しています。特定の組織内だけに閉じこもるのではなく、プロボノを通じて多様な価値観に触れることは、巡り巡って本業のビジネス弁護士としての深みにも繋がるはずです。ルールを柔軟に見直す今回の試みは、非常に価値のある挑戦と言えるでしょう。
第一東京弁護士会は今後、会員への周知徹底や規定の細かな見直しを進め、プロボノによる社会貢献を一層後押ししていく方針を掲げています。2019年09月23日時点でのこの動きが、法曹界全体にどのような波及効果をもたらすのか目が離せません。士業の在り方が、今まさに「義務」から「自発的な貢献」へと進化しようとしています。