小児病棟に笑顔を!石嶋瑞穂さんが挑む「チャーミングケア」と入院生活を支える情報共有の未来

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小児白血病という過酷な病に立ち向かうため、抗がん剤治療を開始した石嶋瑞穂さんの長男。しかし、幼い体で受け止めるにはあまりに重い現実からか、彼は毎日泣き叫び、病院で接する大人たちとの対話を一切拒絶する日々を過ごしていました。そんな凍り付いた心を溶かしたのは、友人が急いで手作りしてくれた「中心静脈(CV)カテーテルケース」という、たった一つの小さなアイテムだったのです。

CVカテーテルとは、心臓に近い太い血管に薬剤を注入するために留置する管のことですが、むき出しの状態では子供にとって恐怖や違和感の対象になりがちです。石嶋さんが「ブランド物の生地でできているみたいだよ」と優しく促すと、息子さんは渋々ながらもケースを装着しました。すると、回診のたびに医師や看護師から「かっこいいね」と褒められるようになり、彼の態度に劇的な変化が訪れます。

「これはブランド物なんだ、他の人は持っていないんだよ」と、自分から周囲に話しかけるようになった息子さんの姿を見て、石嶋さんは確信しました。病気と戦う子供にとって、外見を整え、自分らしさを保つ「外見上のケア」が、どれほど深く心の回復に寄与するかを。SNS上でも「病室での彩りは親子の救いになる」「小さな自信が治療への意欲を変える」と、このエピソードに共感する声が数多く寄せられています。

ニーズの確信からECサイト「マミーズアワーズショップ」の誕生へ

石嶋さんは、自身が感じた手応えを同じ境遇の家族にも届けたいと考え、2019年当時、独自の試みを始めました。まずは手作りキットを簡易的なホームページで数量限定販売したところ、わずか2カ月足らずで完売。全国各地から届く注文に、切実なニーズがあることを再認識したのです。メーカーとの製品化交渉も行いましたが、市場規模の壁に阻まれ、一時は困難に直面することもありました。

しかし、石嶋さんは諦めませんでした。前職で培ったスキルを武器に、なんと付き添い中の病室で自らECサイト「マミーズアワーズショップ」を構築したのです。病児のためのお見舞い品やケアグッズを幅広く扱うこのプラットフォームは、孤独な闘病生活を送る家族にとっての光となりました。現在はさらに多くの製品を集約した「ECモール」の立ち上げを目指し、クラウドファンディングに挑戦中です。

2019年10月5日までのセカンドゴール達成に向けて邁進する石嶋さんは、売上の一部を病児と家族が共に過ごせる施設へ寄付する活動も続けています。私は、こうした民間からのボトムアップな動きこそが、既存の医療システムではカバーしきれない「心の隙間」を埋める重要な役割を果たすと考えています。単なる物販に留まらない、石嶋さんの行動力には敬意を表さずにはいられません。

活動を通じて石嶋さんが新たに見出した課題は、入院している子供だけでなく、家で待つ「きょうだい児」のケアや、家族全体を支える情報の一元化でした。長期療養が必要な場合、家族はバラバラに過ごさざるを得ません。付き添い中は外部の情報が得にくく、孤独に陥りやすいものです。こうした全ての情報を繋ぎ、病気であってもその子らしく過ごせる「チャーミングケア」の概念は、今まさに形になろうとしています。

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