【2019年最新】地方創生交付金の活用に大きな地域格差!過疎地の危機感と都市部の温度差が浮き彫りに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

日本の各地域が抱える人口減少という大きな課題に対し、国が提供する「地方創生推進交付金」の利用状況が、自治体によって驚くほど対照的な結果となっていることが2019年9月23日までに明らかになりました。この交付金は、国が年間1000億円もの予算を投じ、地域の個性を活かした先進的な取り組みを支援する制度です。しかし、2015年度から2019年度までの第1期の実績を紐解くと、栃木県や鳥取県のように全自治体が活用する地域がある一方で、都市部を中心に利用率が7割を切る県も存在しています。

特に利用率の低さが際立っているのは沖縄県の22%で、次いで首都圏や近畿圏の一部でも活用が進んでいない実態があります。沖縄県の場合、観光業の好調による雇用維持や、独自の「沖縄振興特別交付金」が存在することが背景にあるようです。また、山梨県のように製造業の拠点が集積し、財政的な余裕があるために切迫感に欠けるといった声も聞かれます。しかし、こうした表面的な安定の裏で、着実に進行する人口減少への対策が後手に回っている可能性は否定できず、将来への備えが急務と言えるでしょう。

SNS上では「予算があるのに使わないのはもったいない」という意見がある一方で、「申請書類の作成や、新しい事業を立ち上げるだけの人手がない」といった現場の悲鳴に近い声も多く上がっています。実際に佐賀県や北海道からは、日々の福祉や教育業務に追われ、新しい挑戦に回す「マンパワー(組織を動かす人員の労働力)」が不足しているという切実な事情が報告されました。地方創生を推進したくても、それを担う人材そのものが枯渇しているという、皮肉な構造的問題が浮き彫りになっています。

成功のカギは広域連携!栃木県の「ツール・ド・とちぎ」が示す可能性

一方で、強い危機感をバネに大きな成果を上げている地域もあります。全自治体が一致団結して交付金を活用した栃木県では、2017年から自転車ロードレースの国際大会「ツール・ド・とちぎ」を継続開催しています。2019年3月には、わずか3日間で約7万9000人の観客を動員し、10億円を超える経済波及効果を生み出しました。単独の市町村では難しい大規模イベントも、県内全ての自治体がコースや観光スポットを分担して連携することで、地域全体の活性化に繋げることに成功しています。

富山県においても、全市町村が参加する「DMO(観光地経営組織)」を設立し、山と海の絶景を活かした周遊観光を推進しています。ここで言うDMOとは、データに基づいた戦略で観光地をマネジメントし、地域全体で稼ぐ仕組みを作る組織のことです。個々の自治体がバラバラに動くのではなく、共通の看板を掲げて広域で客を呼び込む戦略は、知名度の低い小さな町村にとっても大きな恩恵をもたらします。こうした「横の繋がり」こそが、衰退を食い止める強力な武器になるはずです。

政府は2020年に東京圏への一極集中を是正する目標を掲げていましたが、2018年のデータでも東京圏への転入超過は約13万6000人に上り、目標達成は断念されました。2020年度からは第2期となる地方創生戦略が始まります。私自身の見解としては、交付金はあくまで「呼び水」であり、支給が終わった後も自走できるビジネスモデルを構築できるかが成否を分けると確信しています。単なるイベントで終わらせず、持続可能な地域の「稼ぐ力」を育てる視点が、これからの自治体経営には不可欠です。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*