2019年9月9日に首都圏を襲った台風15号(ファクサイ)は、最大風速が時速216キロメートルという驚異的な猛威を振るいました。この災害から5日が経過した2019年9月13日の夜を迎えてもなお、東京近郊では深刻なライフラインの寸断が続いています。特に千葉県を中心とした地域では、約17万戸で電気が復旧しないという異常事態に陥っているのです。
今回の停電の長期化は、日本が誇ってきた社会資本の堅牢性が、実は薄氷の上にあることを白日の下にさらしました。長年使い続けられてきた電柱や送電網といったインフラの老朽化が、自然災害に対してどれほど無力であるかを私たちは痛感させられています。SNS上では「これほど長く電気が使えないなんて想像もしていなかった」といった、現代社会の脆さに対する驚きや不安の声が溢れかえっている状況です。
ここで注目すべきは、専門家が指摘する「インフラ老朽化」の深刻な実態に他なりません。インフラとは、道路や鉄道、電気、水道といった私たちの生活を支える基盤となる施設を指しますが、これらが耐用年数を迎えつつあるのです。更新が滞れば、一度の災害が命に関わる致命的なダメージとなり得ます。高度経済成長期に集中的に整備された設備が、今まさに一斉に寿命を迎えようとしている事実は見過ごせません。
私は今回の事態を重く受け止め、エネルギー供給の在り方を根本から再考すべきだと考えています。単に古いものを新しくするだけでなく、災害に強い分散型のエネルギーネットワークの構築を急ぐべきでしょう。電線類を地中に埋める「無電柱化」の促進も、景観維持だけでなく、今回のような倒木による断線を防ぐために不可欠な投資と言えます。便利さに慣れきった私たちの意識を、今一度「備え」に向ける時が来ています。