インターネットを通じて単発の仕事を請け負う「ギグ・エコノミー」という言葉をご存じでしょうか。これは、楽器演奏などの単発ライブを意味する「ギグ」に由来しており、特定の組織に属さないフリーランスとしての働き方が世界中で急拡大しています。特に英国や米国では、この柔軟な労働スタイルがすでに経済の大きな柱となっており、社会に活力を与える一方で、将来の生活保障という新たな難題を突きつけているのです。
2019年09月25日現在、欧米諸国で最も議論されているのは、ギグ・ワーカーたちの「老後資金」についてです。従来の企業年金は、あくまで会社に雇用されている従業員を対象とした福利厚生であり、個人事業主である彼らはその枠組みから外れてしまいます。このままでは、現役時代に自由に働けたとしても、退職後の生活が困窮しかねないというリスクが指摘されており、公的な支援や仕組み作りが急務となっているのが現状でしょう。
SNS上でもこの問題は熱い注目を集めており、「自由な働き方は理想だが、年金格差が怖い」といった切実な声や、「国が新しい積み立てシステムを構築すべきだ」という前向きな提案が飛び交っています。若年層を中心に、特定の企業に縛られない生き方を支持する層が多いからこそ、セーフティーネットの不在に対する不安がより顕著に表れているのでしょう。こうした世論の盛り上がりは、政治や企業を動かす大きな原動力になりつつあります。
日本も他人事ではない!自分らしい生き方を守るための「備え」の重要性
日本においても、働き方改革の進展に伴って副業やフリーランスを選ぶ人々が増加しています。しかし、わが国の年金制度も依然として会社員を主軸に設計されているため、ギグ・エコノミーの進展に制度が追いついていない印象は否めません。今後は海外の事例を参考に、企業年金に代わるような「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の活用促進や、ギグ・ワーカー同士が支え合う新たな互助組織の形成が、議論の中心に据えられるべきではないでしょうか。
編集者の視点から言わせていただければ、自由には責任が伴うという冷徹な事実以上に、個人の挑戦を社会がどうバックアップするかが問われていると感じます。多様な働き方を認めるのであれば、どの道を選んでも安心して老後を迎えられる公平なプラットフォームが必要です。2019年09月25日のこの局面こそ、従来の「会社依存」から脱却し、一人ひとりが資産形成に対する意識を高める絶好の機会であると確信しています。